『西の魔女が死んだ』の主人公のごとく、ただいま魔女の修行中。
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ここ数日、実家の庭になった大量の柚子でジャムを作ったり、米と麹で甘酒を仕込んだりして保存食作りに精をだしています。季節の実りに少しだけ手をかけて、より長く美味しく味わえるようにすることは、魔法使いの魔女にでもなったようで、わくわくします。
魔女といえば『西の魔女が死んだ』が思い浮かびます。都会暮らしの少女まいは中学校を不登校になってしまったことから、自給自足で田舎暮らしをするおばあちゃんとひと夏を過ごすことになります。魔女の血筋を引くというおばあちゃんの教えは、どんな時代にも通じるであろう、生きる知恵や幸せの意味を静か伝えます。ジャムの作り方、ゆっくり眠れるおまじない、そして自分で選び決断することの大切さ、まいは魔女になるための修行を通して日毎に活力を取り戻し、生きるコツのようなものを身につけていきます。魔女ってなんでしょう? 不思議とカンが働く時ってありますよね。あの瞬間って、人は魔女になっているのかも。目の前のことにシンプルに素直に反応し、自分の中に軸をしっかりと持つことは魔女への近道な気がします。
柚子のみずみずしさと香りを胸一杯に吸い込めば、こんな私でさえどこからともなく感謝の気持ちが湧いてきます。実りが有り難く、冬が嬉しい。甘酒にいたってはおかゆに麹を混ぜて50〜60℃で保温し続けるだけで発酵がすすむという、そのスタンスに憧れます。私も知らないうちに甘酒のように醸されればいいのに...。ハッ、そのためには環境を作ることが大切なのでしょうか。
冬はいつも以上に家に引きこもりがちになるけど、退屈している場合ではありません。私、ただいまひっそりと魔女に近づけるよう修行中です。
(文/森 亜紀子)