映画『フロントランナー』ヒュー・ジャックマン 来日会見の様子
『グレイテスト・ショーマン』や『ウルヴァリン:SAMURAI』などで人気を博す豪州出身のハリウッド俳優、ヒュー・ジャックマン。彼が主演を務めた話題のサスペンス・ドラマ『フロントランナー』がいよいよ2月1日(金)に公開されます! 今回ジャックマンが演じるのは "ジョン・F・ケネディの再来"と呼ばれたアメリカ合衆国大統領選挙の最有力候補(フロントランナー)、 ゲイリー・ハート。たった一つの報道で政界から抹殺されてしまった、その衝撃的事件を描いています。本作公開に先駆け、ジャックマンが約1年ぶりに来日! 記者会見に笑顔で登壇すると「おはようございます」と丁寧な日本語で挨拶してくれました。
これまでジャックマンが演じてきた役とはかなり違うゲイリー・ハートという役柄。しかもジャックマンが存命の人物を演じたのは今回が初めてだそうです。そんな "意外"なハート役を引き受けたのには2つの理由があったそう。
1つ目はジェイソン・ライトマン監督との仕事だということ。
「『マイレージ、マイライフ』や『JUNO ジュノ』など彼の作品が大好きで、ずっと仕事する機会を待っていました」(ジャックマン)。
そして2つ目は、最有力候補だった人が政界から転落していく、そのストーリーに惹かれたそう。「この作品を観るといろんな疑問がでてくると思います。答えを明かしていないところも気に入りました。どの視点で観るかを自由に決めることができる作品だと思います」。
また、大学時代ジャーナリズムを専攻していたというジャックマン。この作品の出来事は政治家とジャーナリズムの関係を変えてしまったと語ります。「本作の中の、記者たちが次期大統領候補に不倫の真相を問い詰めるシーンは、当時は全くありえなかったことです」。
人気政治家から一気に転落----なにもかも失ってしまったというイメージが強いハート。彼がもし得たものがあるのなら、それは何かという質問には「先日、ハートは妻と61回目の結婚記念日を祝いました。彼が大統領選挙を辞退したのは、家族を守りたいという気持ちが強かったから」とハートの心境を代弁するように回答。当時守り抜いたものが今も彼のもとにある......なんだか感慨深いエピソードでした。
スキャンダルの発覚前、若者を中心に絶大な人気を誇ったハート。彼が人々の心を掴んだ要因を聞かれ「彼が政治家として優れているのは、10年、15年先を見ていたことです」とジャックマン。なんとハートは、1981年にスティーブ・ジョブズとのランチでコンピューターを学校に取り入れようと提案したり、83年にはアメリカが石油にこだわりすぎたことで、中東との戦争になりかねないと発言。さらには2000年にテロの襲撃を受けると警告もしていたのだそう。「このような人がリーダーになっていたらまた違う世の中になっていたと思いますし、未だに人々に愛されている。よりよい世界を築けた人かもしれない」と、ジャックマンは言います。
「この作品は今話すべき議論を生み出すと思う」というジャックマン。ハートの衝撃事件がなければ、アメリカの今は違っていたのかも!? ハートの人生で最も辛い3週間を描いた本作『フロントランナー』は2月1日(金)全国ロードショーです!
(取材・文・写真/トキエス)
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『フロントランナー』
2月1日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開!
監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:マット・バイ&ジェイ・カーソン&ジェイソン・ライトマン
原作:マット・バイ著「All the Truth is Out」
出演:ヒュー・ジャックマン、ヴェラ・ファーミガ、J.K.シモンズ、アルフレッド・モリーナ ほか
配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
原題:The Front Runner
2018/アメリカ/113分
公式サイト:http://www.frontrunner-movie.jp