水を制するものがティランジアを制する

T・イオナンタの一種‘アルボマルギナータ’は白い斑が入る品種で、写真はさらに紅葉している。「ティランジアはやたらに大きくならなかったり、ゆっくりした成長を楽しむ植物。でも毎日見ていて開花や紅葉みたいな変化があると、ほんと楽しいよね」(藤川さん)撮影:田中雅也
NHKテキスト『趣味の園芸』では、4月号よりトレンドの植物を紹介する連載「今、熱い植物」がスタートしました。第1回のテーマは大人気のティランジア。

* * *


■すっかり身近になったティランジア

その独特な容貌が人気のティランジア。1つ数万円で売買されるものもあるが、最近では100円ショップでも手に入るほど身近な存在だ。
独特の質感で水が足りているのかどうかがわかりにくいこともあり、水やりをしないで枯らしてしまう人は少なくない。「空気中の水分だけで育つエアプランツ」などといって売られることも多かったのも一因かもしれない。
ティランジアが自生している環境では葉についた霧の水滴などを吸収して育つが、日本の環境では人の手でちゃんと水やりをすることが必要になる。
「イオナンタなどのような比較的乾燥に強いものもあるけれど、ブルボーサやウスネオイデスなどはとても水が好き。それぞれの個性に合わせて水やりをしないとね」
そう語るのは、ティランジアなどのブロメリア科植物を多く扱うスピーシーズナーサリーの藤川史雄さん。
「日本の植物で、ティランジアの育て方に一番近いのはフウランやセッコク。春から秋は外で風に当ててしっかり水やりし、冬は水控えめ。気温が5℃を下回るようになったら部屋に入れたり防寒をするというのも同じだね。ティランジアも木に着生する植物だから、戸外の落葉樹の下に置くといいかもね。夏は日陰で冬は日なた、落葉樹の下に着生しているイメージで育てるといいよ。」(藤川さん。以下同)

■「高さ」を変えると乾き方が変わる

一方で、水のやりすぎで腐らせてしまったりすることも多い。乾き方を加減するためには、同時に置き場にも気をつかうべきだと藤川さんはいう。
「ティランジアは濡れっぱなしを嫌うので、半日で乾くような場所に置くのが基本。でも、同じベランダでも、頭の高さと足元では、風の通り方が違うよね。風が通る高い場所は、それだけ乾きやすくなるわけ。なかなか乾かないようなら、なるべく高い位置に置いたり吊ったりするといいよ」
ある程度湿度を保ったほうがいいタイプは、低い場所に置くといいとか。
「野生のティランジアが生えているのは風通しと日当たりがいい岩壁だったり、湿度がこもる森林の中の木の上だったり、環境は種類ごとにそれぞれ異なる。その植物がどこで生きてきたかを想像しながら植物を育てるのも、楽しみの一つじゃないかな」
■『NHK趣味の園芸』2017年4月号より

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