新じゃがの魅力

小さいじゃがいもの揚げ煮。つくり方はテキストに掲載しています。撮影:吉田篤史
春野菜が店頭を彩る季節です。料理家の飛田和緒(ひだ・かずを)さんに、新じゃがの魅力をうかがいました。

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■火の通りが早いのが新じゃがの魅力

春らしい柔らかな風が吹き始めると、直売所には新じゃがが並び始めます。
新じゃがは水けが多く、味わいもあっさり。ホクホク、どっしりとした味はないので、濃いめの味、アンチョビやオリーブ漬け、チーズなどを組み合わせたり、塊肉や牛すじ肉と合わせてしっかりと肉のうまみを吸わせて調理します。
若いころは新じゃがが出回ると、初物と喜んで、肉じゃがやら、コロッケなどもつくりましたが、新じゃがではいつもの味が出なくてがっかりしたものです。なんだか味がうすくて寝ぼけた感じになってしまうのです。新じゃがはいつものじゃがいもと別物と思って料理しないといけません。使い分けることを覚えたのは何年もかかってのこと。毎年春になると、いろいろ試した味がよみがえってくるのです。
下ごしらえは皮をたわしで軽くこすって、よく洗い、皮付きのままかぶるくらいの水と合わせてゆで、熱いうちに皮をむきます。または蒸すことをおすすめします。水けが多いので、火の通りも早いです。皮が薄いので、皮ごと食べてもおいしいです。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2017年4月号より

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