最大限の効果を得るために──筋トレを正しく理解しよう

イラスト:雉○
「もっと、体を引き締めて美しくなりたい」
「もっと、かっこよくタフになりたい」
「もっと、不調に悩まず元気になりたい」
そんな思いを抱えている人も多いのではないでしょうか。心の中にある「もっと」をかなえるためには、今の生活に新たな何かをプラスしなければなりません。そのカギとなるのが、人間の体を動かしている筋肉へのアプローチ。すなわち「筋トレ」です。
トレーニングで最大限の効果を得るには、筋トレを正しく理解することが重要です。早稲田大学スポーツ科学学術院教授で、日本体育協会公認アスレティックトレーナーの広瀬統一(ひろせ・のりかず)さんに、筋トレの基本を教えてもらいました。

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■筋肉を大きくするのが筋トレではない

「筋トレ」はおおまかにいうと、筋肉の力を高めるために行うトレーニングです。筋トレというと、筋肉を大きくするために重いバーベルを持ち上げたり、歯を食いしばってマシントレーニングをしたりするイメージがありますが、それは一部のアスリートやボディービルダーのような体を目指している人に限っての話。実は筋トレの目的はさまざまで、筋肉を大きくするだけではありません。

■筋トレは私たちの味方です

では、何のために筋トレをするのでしょう? マラソンをしている人は持久力を高めるための筋トレが必要ですし、姿勢をよくしたい人は姿勢を保つための筋トレが必要です。ほかにも、美しいボディーラインをつくりたい、おなかを引き締めたいなど、その目的は人によってさまざま。筋トレは特別な人だけが行うものではなく、私たちの願いをかなえ、悩みを解決してくれるものなのです。

■「使える筋肉」を手に入れて「動ける体」に!

運動をあまりしていない人は、ふだんの生活で必要な最低限の筋肉しか使わないため、使われない筋肉に神経が行き届かなくなり、次第に動きが悪くなってしまいます。また、年齢を重ねると筋肉が細くなり、自分の体をまっすぐに支えることが難しくなります。それらを防ぐためにぜひ取り組んでほしいのが、「使える筋肉」をつくるための筋トレです。

■まずは筋肉を目覚めさせる

筋トレを始めると、まず「筋肉間のコーディネーション」がよくなります。これは、ある筋肉と別の筋肉が協調しながら動くようになること。例えば、脚を動かすとき、太ももの前側だけでなく、太ももの後ろ側やお尻も使えるようになれば、効率のよい動きになります。
また、「筋肉内のコーディネーション」もよくなります。これは、筋繊維に伝わる脳からの指令の割合が増えること。脳の「動け!」という指令に反応する筋繊維が増えれば増えるほど、筋肉の力は強くなります。

■体の変化は2週間後から

テキスト『趣味どきっ! 体の中からキレイになる! 美筋ボディーメソッド』で紹介するボディーメソッドは、どれも動ける体づくりを意識したもの。まずは2週間、毎日続けてみましょう。大きな変化はないかもしれませんが、筋肉を使う感覚がわかるようになります。6〜8週間続けると、「使える筋肉」がついたことを実感するはず。筋肉が太くなるのは、「使える筋肉」がしっかりついてから。筋肉はそう簡単に太くはなりません。
■『NHK趣味どきっ! 体の中からキレイになる! 美筋ボディーメソッド』より

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