病気や事故、災害に備えて……エンディングノートに書いておきたいこと

イラスト:加納徳博
自分の万が一のことが起こったときのために書いておく「エンディングノート」。病気や事故に遭ったときに、搬送先ですみやかに処置を受けられるよう、自分の健康状態を書いておきましょう。併せて、災害時にどのような行動をとるか、家族とどう連絡を取るのかなども話し合って決め、記入しておくと安心です。遺言相続コンサルタント、行政書士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の本田桂子(ほんだ・けいこ)さんに、書いておくとよい事柄を教えていただきました。

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■自分の健康状態

突然倒れたときでも医療機関で適切な治療を受けられるように、持病やアレルギーの有無などを書いておきましょう。
◎服用している薬
ふだん、服用している薬を書き留めておけば、緊急時でも適切な措置を受けやすくなります。おくすり手帳のコピーを貼ってもよいでしょう。薬の種類が変わったら、すぐに情報を更新しましょう。
◎かかりつけの病院
病院名や担当医師名を書いておけば、救急搬送された先の医療機関が詳細を問い合わせることもでき、病状の把握などにも役立ちます。かかりつけの病院が複数ある場合は、診察券をまとめてコピーし、貼ってもよいでしょう。

■告知と余命宣告に関する希望

病気で回復困難な状態になったときに、医者から告知と余命宣告を受けるかどうかの希望です。自分の気持ちが決まっているなら、理由も含めて書いておきましょう。まだ何も考えていないなら、無理して記入する必要はありません。

■余命宣告後の過ごし方

重病で余命わずかとなったとき、どこで、どのように過ごしたいかの希望です。病院、自宅、ホスピスなどの選択肢があります。「必ず治ると励ましてほしい」「好きな食べ物は我慢したくない」「穏やかに過ごしたい」などの希望も、理由とともに書いておきましょう。
 

■延命治療・臓器提供・献体についての希望

脳死状態になるなどして回復の見込みがなくなったときに、延命治療をしてほしいか、臓器提供や献体を希望するかどうかです。延命治療を望まないなら、署名・押印し、日付、理由も書いておきましょう。
なお、臓器提供と献体には家族の同意が必要ですが、最近の法改正で、本人が希望していたかわからない場合でも、家族の同意があれば臓器提供できるようになりました。臓器提供を希望する場合も、希望しない場合も、理由とともに自分の意思を示しておき、あらかじめ家族の同意や了承を得ておくことも大切です。

■介護についての希望

介護が必要になったとき、どこで誰にお願いしたいのかという希望と、費用の用意があるかどうかを書いておきましょう。すでに何らかの福祉・介護サービスを受けているなら、連絡先やサービス内容などを書いておくと、万が一のときに役立ちます。また、重篤な病気や事故、認知症などで適切な判断ができなくなったとき、誰に判断を委ねたいかの希望を書きます。

■災害時について

地震や洪水などの災害が起こったときに、自分や家族が具体的にどう行動するかです。自宅近くの避難場所や避難所の位置を確認するほか、家族との待ち合わせ場所、連絡の取り方などを話し合って決めておきます。家族写真を貼っておくと、身元や安否の確認に役立ちます。
※テキストには、具体的な記入例を紹介しています。
■『NHKまる得マガジン もしもの時に! 家族をつなぐ エンディングノート』より

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