山野草初心者にぴったりなオダマキの魅力

高山の岩場や礫原、草原に生えるミヤマオダマキ。オダマキの起源種。花色は青紫、白、桃色、八重咲きや覆輪、小型タイプも。写真は八重咲き。高山植物タイプのなかでは育てやすく初心者向き。撮影:福田 稔
『NHK趣味の園芸』2017年3月号は、山野草の大特集です。中でも、「山野草初心者にぴったり」と、園芸家の辻 幸治(つじ・こうじ)さんが太鼓判を押すのがオダマキ。オダマキの魅力はなんといっても、独特の形をした美しい花と種類の豊富さにあります。初心者は丈夫で育てやすい種類を選んで、タネまきや育苗などの、山野草ならではの楽しみも体験してみましょう。

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■華やかな花を愛でながら山野草の栽培をマスターしよう

オダマキの仲間には、日本のオダマキと海外のオダマキを合わせて、世界に約70種類あり、最近は海外のオダマキの流通量がふえています。
花は、花弁と同じように色づいた外側の萼片(がくへん)と、後ろに突き出した距(きょ)という器官がある花弁からなり、この花のつくりが豊かなバリエーションをもたらしています。花色も多彩で、花弁と萼片が異なる複色も多く、たいへん華やかです。
ボタンの葉を小さくしたような葉は鮮やかな緑色で、白粉を帯びたり、黄色や白の斑入り、黄金葉の栽培品種もあり、花がない時期も美しく景観をつくり上げます。
このようにオダマキは、観賞価値の高い、手塩にかけて愛でる価値のある山野草です。原産地が寒冷地に偏っているため、寒冷地のほうが育てやすいですが、環境によく慣れるので、温暖な地域でもコツをつかめば育て上げることができます。
丈夫な種類を選べば、初心者でも苗の植えつけから日ごろの管理、タネとり、タネまき、ポット上げ、鉢上げと、山野草栽培の基本をひと通り体験でき、腕を磨くための教材としてもおすすめです。
■『NHK趣味の園芸』2017年3月号より

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