「〜と考えた」で妄想から抜け出す──ストレスとうまくつきあう心のテクニック

ネガティブな考えが浮かんできたら、そのあとに「〜と考えた」と付け足し、口に出して何度か繰り返しつぶやく。それによって、「自分が考えているだけで、現実ではない」ということが明確になると、不安や心配な気持ちがスッと軽くなる。イラスト:小幡彩貴
ストレスを抱えていっぱいいっぱいになると、「気分が落ち込む」「イライラする」「胃が痛む」など、さまざまな反応が心や体に現れます。近年、その改善に大きな効果を上げている手法が「マインドフルネス」。この具体的なやり方を医学博士で臨床心理士の熊野宏昭(くまの・ひろあき)さんが紹介します。

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■ストレスとうまくつきあうための心のテクニックを知ろう!

私たちは、人づきあいで嫌なことがあったり、仕事などがうまくいかなかったりすると、取り越し苦労や、怒り、嫉妬、罪悪感、疎外感などのモヤモヤで頭の中がいっぱいになることがあります。また、集中力が落ち、正しい判断や決断ができなくなることもあります。これらは、心配や不安によるストレスの仕業です。
過去や未来のことを考え過ぎると、感情はネガティブなほうへと進み、風船が膨らむようにモヤモヤがどんどん大きくなってしまいます。そんな膨らんだ風船の存在に気づいてハッと我に返り、「今、ここ」に心を向けている状態のことを「マインドフルネス」といいます。

■自分を客観視する

「友達が機嫌を悪くしたかもしれない」「上司が怒っているかもしれない」などと考えるとき、それはあくまでも「かもしれない」という妄想であって、現実ではありません。自分が考えた妄想と現実の区別がつかなくなると、不安が大きくなっていき、どんどん余計なストレスがたまってしまいます。
そんなときに役立つのが、「〜と考えた」という言葉を付け足してつぶやくこと。そのひと言で妄想と現実をパッと切り離すことができ、余計な思考にとらわれていた自分に気づくことができます。
■『NHKまる得マガジン ストレスに負けない! 心のストレッチ はじめてのマインドフルネス』より

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