着生、コケテラリウムで──花がなくてもランを楽しむ

ふたつきのガラス瓶に、エリア・ポロイデスとホソバオキナゴケを植え込んだテラリウム。エリア・アポロイデスの造形的な葉姿は多肉植物のよう。撮影:上林徳寛
ランは花を楽しむものと決めつけていませんか? さまざまな形や質感の葉、多様な株姿をしたランは、花がなくても十分魅力的です。それは観葉植物にも引けを取りません。園芸研究家の佐野拓也(さの・たくや)さんがランを魅力的な観葉植物としても楽しめる方法として、流木づけとテラリウムを紹介します。

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■ランの流木づけ

流木づけは、自然のなかでは木の幹や枝、岩などに根を張りつかせて生活している「着生ラン」を、流木に着生させて栽培する方法です。
自生地の姿を彷彿(ほうふつ)とさせ、吊るすことができるのでインテリアや空間緑化としても楽しめます。さらに、根の動きを感じたり、成長の過程をつぶさに観察したりできるので、育てる楽しみが増します。また、流木は水ゴケのように数年で腐りはしないので、長期間植え替えが不要というメリットもあります。
着生させられるのは流木に限らず、ヘゴにつければヘゴづけ、コルクにつければコルクづけと呼ばれます。



■ランとコケのテラリウム

テラリウムというのは、透明なガラス容器の中で植物を栽培する方法です。今回はラン同様、空気中の湿気を好むものが多く相性がよいコケと一緒に植えつけます。
ランの葉や茎は堅くしっかりとしたものが多いのですが、コケを合わせることによって、柔らかくやさしいイメージに仕上げることができます。盆栽のようにワンポイントでコケを使うのもよし、苔むした景色の中にランが生える様子を再現するもよし、いろいろな楽しみ方ができます。
冬の室内でも適度な湿度を保てるので、ランもコケも長く楽しむことができます。


※テキストでは写真つきで詳しいつくり方を紹介しています。
■『NHK趣味の園芸』2017年2月号より

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