16歳大西竜平二段、新人王戦に初出場で歴代最年少優勝
25歳以下、六段以下の棋士32名によるトーナメントで戦われる新人王戦。第41期は大西竜平(おおにし・りゅうへい)二段が史上最年少で優勝した。観戦記者の甘竹潤二さんが決勝三番勝負を振り返る。
* * *
大西竜平二段。16歳6か月、史上最年少の新人王が誕生した。一力遼七段の持つ17歳3か月を抜く記録で、入段2年目。新人王戦初出場での初優勝と、記録ずくめの快挙である。
「トーナメント戦も決勝三番勝負も運がよかったです。一力さんの記録は超えましたが、一力さんより強くなったわけではないですし…」
局後、最年少記録について質問され戸惑うあたり、なんとも初々しい16歳だ。だが今後の抱負について聞かれると、大西はきっぱりと答えた。
「今、世界には強い若手がたくさんいるので、そういう人たちと勝負がしたいです」
1回戦で孫喆四段─芝野虎丸二段、寺山怜四段─藤沢里菜三段等の好カードが組まれた本戦。孫と藤沢が勝利を収めたが、藤沢は2回戦で敗退。孫は準決勝で谷口徹二段に敗れ姿を消した。谷口は本因坊戦最終予選に進出するなど、最近力をつけている20歳。一方の大西は、藤沢を破った稲葉貴宇三段を準決勝で下し、谷口との決勝三番勝負に臨んだ。
大阪の関西棋院で行われた第1局は、大西が半目勝負を制して先勝。
第2局は東京・日本棋院。参考図1はその序盤戦。黒1のツケが大西の工夫。右辺の白は堅い石なので、さらに固めてもかまわないという柔軟な発想だ。次いで黒5と足早に大場を占めると、じっくり派の谷口は黒11、13の消しに悠然と白14とトビ、18と打ち込む。両者の棋風そのままの進行になった。そして再び半目勝負に。ここで谷口に痛恨の敗着が出て、大西が逆転勝ちを収めた。
(肩書は2016年9月現在)
■『NHK囲碁講座』2017年1月号より
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大西竜平二段。16歳6か月、史上最年少の新人王が誕生した。一力遼七段の持つ17歳3か月を抜く記録で、入段2年目。新人王戦初出場での初優勝と、記録ずくめの快挙である。
「トーナメント戦も決勝三番勝負も運がよかったです。一力さんの記録は超えましたが、一力さんより強くなったわけではないですし…」
局後、最年少記録について質問され戸惑うあたり、なんとも初々しい16歳だ。だが今後の抱負について聞かれると、大西はきっぱりと答えた。
「今、世界には強い若手がたくさんいるので、そういう人たちと勝負がしたいです」
1回戦で孫喆四段─芝野虎丸二段、寺山怜四段─藤沢里菜三段等の好カードが組まれた本戦。孫と藤沢が勝利を収めたが、藤沢は2回戦で敗退。孫は準決勝で谷口徹二段に敗れ姿を消した。谷口は本因坊戦最終予選に進出するなど、最近力をつけている20歳。一方の大西は、藤沢を破った稲葉貴宇三段を準決勝で下し、谷口との決勝三番勝負に臨んだ。
大阪の関西棋院で行われた第1局は、大西が半目勝負を制して先勝。
第2局は東京・日本棋院。参考図1はその序盤戦。黒1のツケが大西の工夫。右辺の白は堅い石なので、さらに固めてもかまわないという柔軟な発想だ。次いで黒5と足早に大場を占めると、じっくり派の谷口は黒11、13の消しに悠然と白14とトビ、18と打ち込む。両者の棋風そのままの進行になった。そして再び半目勝負に。ここで谷口に痛恨の敗着が出て、大西が逆転勝ちを収めた。
(肩書は2016年9月現在)
■『NHK囲碁講座』2017年1月号より
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