おなかの冷えは肌トラブルを引き起こす
- コラーゲンが豊富な手羽先と、体を潤す作用のある白きくらげの組み合わせが、ダブルで肌を潤してくれる「手羽先と白きくらげ、はと麦の潤いスープ」。はと麦は、肌荒れや吹き出物などのお悩み解消にも。つくり方はテキストをご覧下さい。撮影:鈴木雅也
シミ、シワ、たるみ、くすみ......。「肌トラブルや老化に悩んでいる人は、漢方医学の「血」と「水」の働きが悪い可能性があります」と指摘するのは、医師・医学博士の木村容子(きむら・ようこ)さん。これらの働きを補ったり、巡りをよくすることで、結果的に肌がきれいになるのだとか。化粧品やエステにお金をかけるよりも、体を根本から見直すことが大切です。
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■皮膚は内臓の鏡 体内の調子が皮膚に現れる
「皮膚は内臓の鏡」という言葉がありますが、漢方医学では、肌の状態は体内の状態を現していると考えます。漢方医学で体の状態を把握する方法の一つである「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」のうち、肌トラブルは、特に「血」と「水」の状態と関係します。
「血」が不足している「血虚(けっきょ)」や、「血」の巡りが悪い「瘀(お)血」があると、栄養が皮膚まで届きにくくなるため、肌の乾燥をはじめ、肌荒れやクマ、シミなどの原因になります。また、水分代謝にも関わる「水」の巡りの悪い「水毒(すいどく)」では、むくみやたるみが出たりします。
さらに、五臓(ごぞう)の「脾(ひ/胃腸)」は「肌肉」と関係があると考えるため、胃腸の状態は皮膚に反映されます。冷えは胃腸の働きを悪くするため、おなかの冷えは肌トラブルを引き起こします。
「脾」のトラブルは口元に現れがちです。口の周りに吹き出物が出る場合、「脾」がダメージを受けている可能性が高いと考えていいでしょう。
■冬の肌ケアには顔や足のツボ押しがおすすめ さらに、おなかを温めるとより効果的
「血」を補い巡らせる食材を積極的にとる
肌トラブルを改善するには、食事を見直すことが重要です。
「血虚」には、補血作用がある黒いもの(黒ごま、黒米など)や、赤いもの(にんじんやレバーなど)がいいとされています。
また、「瘀血」には、体を温めて「血」の巡りをよくするねぎ類、とうがらし、納豆、酢などがすすめられます。これらを積極的に取り入れるといいでしょう。
冬の乾燥肌対策には顔だけでなく足のツボも刺激
顔のツボを刺激したり、マッサージをするのもおすすめです。顔の循環がよくなり、乾燥肌をはじめ、クマやむくみなどの肌トラブルの改善に役立ちます。
また、顔には「肌肉」に関係する胃腸のツボが多く存在するので、顔のツボ押しは胃腸の調子を整えるためにも役立ちます。
このほか、足の肌の乾燥には、足のツボ押しがおすすめです。足の血行が良くなるだけでなく、足には胃腸によいツボも多くあります。
ツボ押しはお風呂上がりの血行がよい状態で行うといいでしょう。顔や足にクリームやオイルを塗るついでにツボを押すことを習慣にすると、肌の乾燥も防げて一石二鳥です。
おなかを冷やさない服装や食べ方を
漢方医学では、女性の一生を7年ごとに捉え、28歳をピークに健康面や美容面が衰えていくと考えます。もちろん、加齢とともに「肌肉」と関係する「脾」の機能も低下します。冷えると「脾」の働きは一層悪くなるので、「脾」の働きを高めるには、おなかを温めることが重要になります。
若いときは問題なかった"へそ出しファッション"も、ある程度年齢を重ねた女性には大きなダメージになります。腹巻きでおなかを温めたり、冷たいもののとりすぎを避けたりして、「脾」をいたわりましょう。
※テキストでは肌トラブル対策のツボ押し・マッサージ法や、薬膳料理研究家の谷口ももよ(たにぐち・ももよ)さん考案の温活薬膳レシピを紹介しています。
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