ピラミッド建造の労働者を支えたダイコン

おなじみの野菜かと思いきや、知っているのはほんの一面。世界のあちこちから、隠れたダイコン話を掘り出してみました。

* * *


■古代エジプトでも食べられていた!?

紀元前2700〜2200年ごろ、古代エジプトでは、ピラミッドを建造していた労働者たちが、ダイコンを食料にしていました。ピラミッドの碑文にそう書かれているそうで、タマネギなどとともに、労働者のエネルギー源になったのですね。
古くは薬草で、古代ギリシャやローマでは、神様への供え物にも使われたというダイコン。今では、消化を助ける酵素やビタミンCを多く含むことが知られ、日本には「ダイコン好きの医者いらず」ということわざもあるほど。刺身のつまにダイコンが多いのも、殺菌効果が期待されているからです。(編集部)

■ピーターが食べていたのはニンジンじゃなくてダイコン!?

イギリスの有名な児童文学『ピーターラビット』。ピーターはマクレガーさんの畑に忍び込んで野菜を失敬しますが、ハツカダイコン(ラディッシュ)もその一つです。その場面の絵を見て、ニンジンだと勘違いしている人も少なくありません。
日本では、ラディッシュというと丸くて小さなものを思い浮かべますが、世界には、形も大きさもさまざまなハツカダイコンがあるのです。(京都産業大学教授 山岸 博〈やまぎし・ひろし〉さん)
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2016年12月号より

NHKテキストVIEW

NHK 趣味の園芸 やさいの時間 2016年 12 月号 [雑誌]
『NHK 趣味の園芸 やさいの時間 2016年 12 月号 [雑誌]』
NHK出版
669円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> LawsonHMV

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム