白い部分を長〜く育てる 長ネギ栽培のポイント

撮影:上林徳寛
7月は長ネギの植えつけ適期です。恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんに、長ネギ栽培のポイントを教えてもらいました。

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■土寄せで日光を遮り白い部分を長く育てる

刻むとピリッと辛く、加熱するとトロリと甘い長ネギは、炒め物や鍋物、薬味などさまざまなシーンで活躍する便利野菜。香り成分のアリシンには、血行促進や疲労回復、殺菌などの働きがあると言われ、体が弱っているときなどに意識して食べたい野菜です。
長ネギ栽培の最大のポイントは、あらかじめ深さ20〜30cmの溝を掘って苗を植えつけること。長ネギの白い部分は光を遮ることで作られますが(軟白〈なんぱく〉栽培)、溝の中に植えつけることで土寄(つちよ)せの作業がしやすくなるのがメリットです。最初は少々手間がかかりますが、その後は月1回の追肥(ついひ)、土寄せのみ。
晩秋から冬にかけて、白い部分がスラリと長い、おいしい長ネギを収穫することができます。

■長~く育てる長ネギ栽培のポイント

1 根が張るまでは肥料は与えない
植えつけ直後の長ネギの根は肥料分を必要としないため、元肥(もとごえ)は与えないのがポイント。まずは土の養分のみで、根張りを優先させることが重要です。植えつけの2週間後、根が活着(かっちゃく)したら追肥をスタートし、葉の生育を促します。
 
2 成長に合わせて徐々に土寄せ
長ネギの葉は月に約10cmのペースで伸びると言われます。そこで成長に合わせて月に1回、葉の分岐部(ぶんきぶ)の下まで土寄せし、白い部分を長く育てるのがコツです。一度にたくさん土寄せするより、長ネギの生育のペースに合わせて少しずつ土寄せするほうがスムーズに育ちます。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2016年7月号より

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