スマホできれいにバラを撮影するには──プロが教えるコツ

順光を遮光して撮影。背景の緑が明るくなり、バラの葉も一枚一枚はっきりして明るくなる。強い影もない。撮影:山本正樹
ちょっとしたコツをつかめば、スマートフォンやコンパクトカメラで撮った写真が見違えるほどいい雰囲気に。今シーズンは、美しいバラをよりきれいに撮ってみましょう。フォトグラファーの山本正樹(やまもと・まさき)さんに撮影のコツを教えてもらいました。

* * *

写真を撮るときは、バラの花に対して「太陽の位置はどこか、光がどのようにさし込んでいるか」。これを気にかけるようにしましょう。光には順光、逆光、サイド光などがあり、光の向きと強さで同じ花でも写真の印象は大きく変わります。
右上の写真は、光の強い好天の昼間に順光で撮影しました。よく撮られるパターンの一つです。順光は花色がきれいに撮れますが、特にスマートフォンの場合、メリハリに欠けた平面的な画像になり、硬い印象を与えがちです。
バラは葉色が濃いタイプが多いので、光が強いと、葉が黒くつぶれて写ってしまうことがあります。光が強いときは、白い傘や発砲スチロール板を使ってバラにさし込む光を遮ります。すると、バラの葉や鉢近くの強い影が消えます。また、遮光していない背景の葉は明るい黄緑になり、立体感や柔らかさが生まれます。

太陽の位置は時間帯や季節によっても変わります。遮光の必要がない曇りの日のほうがきれいに撮れることもあります。早朝の光、夕刻の光など、いろいろ試してみましょう。光を意識して撮ると、写真の表現や撮る楽しみは今よりもっと広がります。
■『NHK趣味の園芸』2016年5月号より

NHKテキストVIEW

NHKテキスト 趣味の園芸 2016年 05 月号 [雑誌]
『NHKテキスト 趣味の園芸 2016年 05 月号 [雑誌]』
NHK出版 / 545円(税込)
>> Amazon.co.jp

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム