トウモロコシ栽培のポイント

撮影:熊原美恵
収穫直後のトウモロコシの味を知ったら、やみつきになること間違いなし! 恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんにトウモロコシ栽培のポイントを教えてもらいました。

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知っていましたか? トウモロコシの実の一粒一粒は、タネなのです。そして私たちが野菜として収穫して食べているのは、未成熟の若い子実(しじつ/タネ)。甘さとみずみずしさがギュッと詰まっています。
大きな実を育てるポイントは、適量の肥料をタイミングよく与えること。トウモロコシは肥料を吸う力が強いので、元肥(もとごえ)をしっかり入れて土作りを行い、途中で肥料ぎれさせないよう、「追肥(ついひ)」を行って必要な養分を補います。
収穫までの管理も重要なポイント。特に実入りをよくするための「人工授粉(じんこうじゅふん)」や、一つ一つの実を大きくするための「摘果(てきか)」は、よい実を作るための必須の作業。おいしい時期は短いので、とりごろを逃さないように収穫します。

■とれたてを味わう! トウモロコシ栽培のポイント

ポイント1 2列以上で植える
実の一粒一粒をしっかり育てるには、受粉を確実にさせることが肝心。トウモロコシの花粉は風で運ばれるので、周囲にたくさんの株があったほうが受粉のチャンスが多くなる。そのため、2列以上で植えるとよい。たとえば8株育てるときは、8株を1列で育てるより、4株を2列で育てるほうが受粉しやすくなる。
ポイント2 1種類の品種のみを育てる
トウモロコシはほかの品種と交ざりやすいので、同じ品種だけを植えるのが原則。異なる品種を同じ場所に植えると交雑して形質が変わってしまい、品種特有の見た目や味が損なわれることも。花粉が飛ぶ距離(100〜200m)には異なる品種を植えないか、開花期がずれるようにタネまき時期を調整しよう。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2016年4月号より

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