リコピンって何?

撮影:渡辺七奈
トマトは身近な野菜なのに、知らないことばかり。もっとトマトにくわしくなって、トマト博士をめざしましょう。

■Q リコピンって何?

リコピンは、植物がもつ色素の一つで、赤い色をしています。抗酸化作用が強く、その力はビタミンEの1000倍以上と言われています。私たちの体の中では、呼吸で取り入れた酸素のなかから、活性酸素が生まれます。細菌を攻撃するなど大事な役割をもっていますが、増えすぎるとやっかい。強い酸化作用で細胞を壊すなど、病気の原因にもなると言われています。リコピンは、こうした活性酸素を消し去る力があるとして、近年注目されています。

■Q トマトのゼリー質には、どんな役目があるの?

トマトを横半分に切ると、「子室(ししつ)」と呼ばれるいくつかの部屋に分かれています。そこで、ゼリー状のものが、タネを守っています。このゼリーには、タネの発芽を抑える役目があります。熟した実が地面に落ちても、成長に適した気温になるまでタネを守り、芽を出さないようにしています。ゼリーには、うまみ成分のグルタミン酸が多いので、取り除かずに食べたほうがおいしくいただけます。野生動物もこれを食べて、トマトのタネを運んでくれるのです。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2016年4月号より

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