クライマックス間近! 第65回 NHK杯から出題する「次の一手」

激闘が繰り広げられてきた第65回NHK杯戦も、いよいよクライマックスを迎えようとしています。
羽生善治名人や渡辺明竜王といった優勝経験者が早期敗退した驚きと、それにともなう新進気鋭の若手棋士の躍進。実力者たちの奮闘も目立ちました。
4月号では1回戦18局、2回戦16局の計34局の中から印象的な対局を厳選し、次の一手形式で紹介していきます。あっと驚く画期的な序盤戦術や、中盤戦での力強いさばき。そして最終盤の鬼手妙手の数々は、何度見ても色あせないことでしょう。
真剣に向き合って実力アップをはかるもよし、プロの技を鑑賞して楽しむもよし。本稿では1回戦第3局の澤田真吾六段と高野秀行(高の正式表記ははしごたかです)六段の対局から出題します。
(本文中の肩書・段位は放送時のものです)

* * *


△3一金と引かれて竜を捕獲されましたが、この手は澤田六段の寄せの構図の範囲内でした。3手進めて後手玉を追い詰めてください
 

■解答

▲3一同竜
△同 角
▲3四金
澤田六段はバッサリ▲3一同竜と切って、△同角に▲3四金(解答図)と縛りました。
この手はまだ詰めろではないものの、先手玉に余裕があるため成立しています。
髙野六段は△3二金と寄って守りましたが、▲2四歩△2八飛▲2三銀(投了図)と進んで終局となりました。
以下△2二歩と受けても、▲3二銀不成△同飛▲2三金打△同歩▲同金で即詰み。
なお問題図で駒損を気にして▲2二同竜と取るのは、△同金で捕まえにくくなってしまいます。「寄せは側近の金を狙え」です。


■『NHK将棋講座』別冊付録「第65回 NHK杯戦 激闘の軌跡 1回戦・2回戦」2016年4月号より

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(詳細データ取得中)

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