家庭菜園のアクセントにいかが? ベリーの基礎知識

イラスト:阿部真由美
樹高が低いベリー類は、管理しやすいのが特徴です。植えつけるなら、今が適期。鉢植えでも上手に作れ、宝石のように美しい実を完熟で楽しめます。千葉大学環境健康フィールド科学センター助教の三輪正幸(みわ・まさゆき)さんに、ベリーの基礎知識をうかがいました。

* * *

ベリーの正確な定義は分野によって異なりますが、一般的に家庭園芸の分野では、多肉質の小さな果実をつける果樹全般をベリー(ベリー類)として扱っています。そのため、多くの果樹がベリーとして販売され、国内で利用されています。果実が小さく皮が薄いので、包丁などで皮をむいて切り分けなくても、摘み取りながら、そのままほおばることができるのが最大のメリットです。

■1 どんなベリーを選んだらよいの?

ベリーにはさまざまな種類があり、その性質も多様です。種類を選ぶ際は、食べてみたい、育ててみたいベリーを選択するのが基本ですが、失敗しないためには樹高や耐寒性、耐暑性、とげの有無などの性質も考慮するとよいでしょう。コンパクトに育てたい場合は樹高の低いベリーがおすすめです。また、寒冷地や温暖地では耐寒性や耐暑性への注意も重要です。とげがないベリーは安心して管理することができます。


■2 家庭菜園のアクセントにも

家庭菜園にベリーを加えることで、普段の料理だけでなく、自家製のデザートまで楽しむことができます。さらに、野菜の管理作業をしながら、ベリーをつまみ食いする喜びを味わうこともできるのです。
家庭菜園にこのように野菜とベリー(果樹)を混植し、観賞と収穫の両方を楽しむことができるポタジェにして、野菜栽培の幅を広げてみませんか。

■3 鉢植えがおすすめ

果樹と言えば昔から庭に植えるイメージがありますが、ライフスタイルの変化に伴って鉢で育てるメリットに注目が集まっています。
まずは、鉢に植えつけることで大木化しにくくなり、コンパクトに育てることができます。また、移動させられるので、季節や気分に応じて、好きな場所や家庭菜園の中に置けるほか、気温や乾燥に敏感なベリーでも最適な場所で栽培することができます。さらに、ベリーは枝の生育が盛んになりすぎると、花や果実に回るはずの栄養分が枝葉に取られてしまい、実つきが悪くなりますが、鉢植えにすることで根の生育とともに枝葉の生育も制限され、庭植えよりも実つきがよくなります。同じ理由で、植えつけから初結実までの年数も短くなる傾向にあるのも、収穫が主な目的のベリーには大きなメリットとなります。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2015年11月号より

NHKテキストVIEW

NHK 趣味の園芸 やさいの時間 2015年 11 月号 [雑誌]
『NHK 趣味の園芸 やさいの時間 2015年 11 月号 [雑誌]』
NHK出版 / 669円(税込)
>> Amazon.co.jp

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム