バラの大苗を植えつける「最適期」は? 地域別ガイド

11月になると、店先にたくさんのバラの大苗が並びます。大苗の植えつけ適期は、活動が最もゆるやかになる休眠期。一般的には11月下旬〜2月中旬ですが、じつはこれは関東地方以西の平野部が基準。縦に長い日本列島、地域によって適期も変わってきます。バラ栽培家の小山内 健(おさない・けん)さんに解説してもらいました。

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■知っておこう 気温と株の状態で休眠が判断できる

自分が住む地域の「最適期」を知るには、バラが「休眠」を始める「気温」と「株の状態」を知っておくことです。おおよその目安として、一日の最高気温が7℃以下、最低気温4℃以下が数日続くと、バラは休眠に入るといわれています。休眠を始めると枝や葉に赤みがさしたり、下から葉が落ちだしたりして、株にも変化が現れます。こうなるとほとんど活動が止まり、葉をすべてむしり取ったり、根や枝を少々切ったりしたところで、それが原因で枯らしてしまうこともなく作業ができます。
 

■地域別 植えつけと冬の管理のコツ


A 北海道・東北・信越・北陸地方など
冬の寒さが厳しい地域です。冬場マイナス10℃以下になるところもあり、凍結や寒風で株が傷みやすくなります。鉢苗のままか、鉢に植えつけて軒下や5℃を超えない室内で冬越しさせて、春に氷点下が続かなくなったら、庭に植えつけたり、鉢を移動させたりします。雪深い地域では、雪解けを待って庭に植えつけましょう。
B 関東地方以西の平野部(Cを除く)
氷点下になりにくく、11月下旬〜2月中旬が植えつけの最適期です。植えつけたあとも、標準の冬の管理で育てられます。
C 主要三都市(東京、名古屋、大阪)、関東地方以西の太平洋沿岸、九州地方沿岸部など
バラが休眠しきれず、12月上旬でもきれいに花が咲いていることも。こういう場合は植えつけ前に葉をむしっておくと、休眠しやすくなります。12月中旬〜2月上・中旬あたりが植えつけの適期です。
■『NHK趣味の園芸』2015年11月号より

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