収穫まで約2年! イチジクを育てる楽しさ

撮影:伊藤善規
世界に数多くの品種があるものの、日本ではごく一部しか流通していないイチジク。自分で育てて、珍しい品種をおいしく味わってみませんか? 鉢で栽培でき、植えつけから初収穫まで約2年と短期なので、特に果樹初心者におすすめです。イチジクを育てる醍醐味を、果樹研究家の大森直樹(おおもり・なおき)さんにうかがいました。

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現在、日本国内で出荷用に栽培され、青果店などに出回っているイチジクは、丈夫で流通に耐えやすい「ドーフィン」と「蓬莱柿(ほうらいし/早生日本種)」の2種でほぼ独占状態。でも、世界には、ジャムのように濃厚な甘みをもつもの、ジューシーなもの、香りがよいものなど、多種多様な品種があります。イチジク栽培の魅力の一つは、こうした日本ではなかなかお目にかかることができない珍しい品種を存分に味わえること。しかも、樹上で完熟させて収穫後すぐに調理できるので、鮮度もおいしさも抜群です。
植えつけから約2年で初収穫ができることも、イチジク栽培の大きな魅力です。果樹でありながら収穫までにかかる年数が短いので、気長に構える必要がなく、野菜のような感覚で楽しめます。鉢で栽培でき、ベランダなどで比較的簡単に育てられるのも、初めて果樹に挑戦する人にはうれしいところ。イチジクは「葉1枚で実が1つできる」といわれるほど、たくさんの果実を収穫できる果樹。それぞれの葉に光がしっかりと当たるよう、芽かきと剪定で枝数をコントロールすれば、どっさり収穫することも夢ではありません。
イチジクには、夏にとれる夏果と秋にとれる秋果があり、品種によって夏果専用、秋果専用、夏秋兼用(夏と秋2回収穫できる)に分かれます。間違った品種名で売られていることもあるので、苗木は信頼のおける専門店で購入しましょう。
■『NHK趣味の園芸』2015年11月号より

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