ガラスの中に生態系? ゆっくり楽しむテラリウム

アンティークなガラス瓶には、繊細な山野草がよく似合う。初夏に咲くアワチドリを主役に。撮影:竹前 朗
透明なガラスの中でゆっくりと育つグリーン。暑い夏を涼しく演出する室内ガーデニングを楽しんでみませんか。テラリウムの基礎知識を庭師、草盆栽家の砂森 聡(すなもり・さとし)さんに教えてもらいました。

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■ガラスの中に生態系を再現

テラリウムとは、ガラス容器の中で植物を栽培すること。ラテン語で「地」を意味するterraと、「場所」を表す-ariumを組み合わせた造語です。発祥は19世紀、イギリスで発明された「ウォードの箱」と呼ばれる密閉されたガラスケース。この中では葉から蒸散した水分がしずくとなって土に戻り、自然のサイクルと同じように循環するため、何日も水を与えなくても植物が育つことが発見されたのです。プラントハンターの目にもとまり、植物の長距離輸送が可能になったことで、植物学の発展に大きな役割を果たしました。
市民の間でも人気を集め、欧米を中心に室内ガーデニングの一つとして定着しました。現在ではふたのない容器を使ったものも、広くテラリウムと呼ばれています。

■ゆっくり育ち手入れも簡単!

適切に手入れをすれば、2〜3年植えたままでも大丈夫。根が少しずつ育っていく様子を見られることも、透明な器ならではの醍醐味でしょう。テキストでは育てやすい観葉植物や、日本にも自生するコケや山野草などを使ったテラリウムを紹介しています。
■『NHK趣味の園芸』2015年8月号より

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