「惹かれる歴史上の人物は?」加藤一二三九段から中村太地六段への質問

左/インタビューに答える中村太地六段 写真:藤田浩司 右/チャーチルに似ている? 加藤一二三九段 写真:小松士郎
加藤一二三(かとう・ひふみ)九段からのバトンを受けていただくのは、4月から「将棋フォーカス」総合司会を務めている中村太地(なかむら・たいち)六段。加藤九段とは早稲田大学の同窓生というつながりもあります。

■加藤一二三九段より中村太地六段に質問

Q「惹(ひ)かれる歴史上の人物」は誰でしょうか? 余談ですが、わたくしはある新聞記者の方に“(外見が) チャーチルに似ている”と云われたことがあります。チャーチルは猫を大切にする柔和な人柄の政治家でもあったようで、気に入っています。
政治家ではないんですが、アインシュタインに惹かれます。「相対性理論」が分からないという子供に対して「好きな人と1時間一緒にいるときは、1分しか経っていないように思える。熱いストーブの上に1分座らせられたら、どんな1時間より長いはずだ。相対性理論とはそういうことだ」というような説明をしたというエピソードが好きです。自分自身はものすごく頭がいいのに、分からない人にも分かりやすいように、しかも洒脱に伝えることができるのがいいなあと思いますね。高校生のときから、世界史の用語集とか資料集の隅のほうに載っている「歴史上の人物の名言」みたいなものが好きで、今でも名言に関する本を読んだりします。
Q『棋譜』について、お伺いいたします。プロ棋士の過去の棋譜について、これまで並べた棋譜でもっとも古い棋譜や、日ごろよく並べる棋譜はいつごろのものですか? すこし前には、若手棋士たちがわたくしの今は絶版になっている古い書籍を古書店で見つけ、棋譜をよく並べていると聞きうれしく思いましたが、今の若手棋士は、過去の棋譜はあまり並べないのでしょうか?
 
これまで並べたもっとも古い棋譜は、現存する最古の棋譜と言われる初代宗桂と本因坊算砂の御城将棋ですね。これは主に好奇心からというか、「昔の人はどのくらい強かったんだろう」というようなことが知りたくて、一手一手を検証するという感じではなく、全体を概観するという触れ方だったと思います。日ごろ並べる棋譜は、やはり現在進行形で指されている最新のものが多いです。そうした現在の将棋に連なるものとして、『谷川VS羽生100番勝負』や『羽生VS森内百番指し』などは何度も並べてきました。
※6月号は羽生善治(はぶ・よしはる)名人が登場します。お楽しみに!
■『NHK将棋講座』2015年5月号より

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