橋本崇載八段の存在感

左/金井恒太五段 右/橋本崇載八段 写真:河井邦彦
森内俊之(もりうち・としゆき)九段の優勝で幕を閉じた第64回NHK杯。今回もたくさんのドラマがありました。中でも、橋本崇載(はしもと・たかのり)八段の二歩による準決勝敗退(こちらの観戦記は、4月16日(木)発売の『NHK将棋講座』5月号に掲載されます)は記憶に新しいのではないでしょうか。『NHK将棋講座』2015年4月号には、将棋ライターの鈴木宏彦(すずき・ひろひこ)さんが、橋本八段が金井恒太(かない・こうた)五段を下した準々決勝第3局の観戦記を寄せています。

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■金井恒太の躍進

阿部光瑠五段、久保利明九段、谷川浩司九段の3人を破ってベスト8進出。金井が今期NHK杯の台風の目になった。
「早指しが得意という意識はないが、自分でもびっくりするくらい勝てている」と金井。快進撃の反響は大きく、あちこちで声をかけられるようになったそうだ。「優勝まであと3勝ですね」というと、「目の前の1勝が大変だし目標です」と控えめな答え。4回戦の相手はハッシーこと橋本崇載八段。過去一度の直接対決は橋本の完勝。文字どおりの強敵だ。

■橋本崇載の存在感

橋本といえば、将棋八段。そしてモノマネ八段の棋士として知られる。NHK杯インタビューにおける数々の「芸歴」はファンも関係者も注目の的だ。
今回のインタビューは一見まじめ風にスタートしたが、最後にやっぱり出た。「飛車を振ろうかなあ、いやいや居飛車にしようか。いや、やっぱりボーギンで行きます。ハイ」。
例によって、加藤一二三九段のモノマネでとどめを刺した。
解説の松尾歩七段はよく分かっていて、「どうせ棒銀はやりませんね」といっていた。
※やはりボーギンではなく、角交換四間飛車から展開した対局の棋譜と解説はテキストに掲載しています。
■『NHK将棋講座』2015年4月号より

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