今村俊也九段、「いずれゴルフの大輪の花を咲かせるつもり」

イラスト:丸山誠司
関西棋院の常務理事の公務も多忙な今村俊也(いまむら・としや)九段。棋風は「世界一厚い」と称され、数々の実績を築いてきた。今回は「囲碁普及や指導に生かせればいいな」と思っている、ゴルフの経験談を語っていただいた。

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今村/2000年にテレビ囲碁アジア選手権が韓国のキョンジュであり、柳さん(時熏九段)と二人、早々と負けて時間を持て余してしまったんですね。そのときにゴルフ場で初めてコースを回りました。そこで火がついたんですね。
それから早起きが苦にならなくなり、運動不足解消にも最適ではまりました。一年半くらいは我流でやってましたが、プロに習い始めた嫁さんを横目で見て、やはりプロについたほうがよさそうだなと思い直しました(笑)。以来、ずっと習ってます。でも、なかなかスコアに反映しないので、ゴルフ仲間の棋士たちにからかわれています。碁会所のおじさんたちと同じで、言いたいことを言い合って楽しんでるんですね。もっと仲間を増やそうと、今まで棋士を数人ゴルフ教室に誘いました。皆、私より筋がよく上達も早いので、習い事は最初が肝心と痛感したしだいです。そのようなことで以前よりからかわれる回数も増えました(笑)。しかし、継続しているのは私だけで、いずれは大輪の花を咲かせるつもりです(笑)。
ゴルフを習っていて、目からウロコが落ちた気分になったことは何百回とあります。ところが、その度に「やはり違ってた」となる。でもまた何回でも悟りを開いたような気分になるところが面白いですね。受け止め方の難しさや奥行きを感じます。碁でもアマチュアの方が有段者になるのがいかに大変か、身にしみて分かるようになりました。(談)
■  『NHK囲碁講座』2015年3月号より

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