いつもの家事も脳トレに! 脳の活動を高める手仕事

りんごの皮むきをしているときの脳の状態の比較(赤い部分が安静時より活動を高めている)
私たちの生活の身近なところにも脳トレのチャンスはあります。なかでも、その筆頭が家事だと、諏訪東京理科大学共通教育センター教授の篠原菊紀(しのはら・きくのり)さんは言います。

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■料理・手芸……手仕事が脳の活動を高める

実際に、料理や裁縫など手を使った仕事は、脳の活動を高める傾向にあることが調べられています。さらに皿を洗う、料理をする、掃除をする、庭の手入れをするなどの日常的な軽い身体活動の積み重ねが、アルツハイマー病のリスクを小さくしてくれるということも報告されています。
家事以外にも農作業や陶芸などにも同じ効果が期待できます。手間をおしまないとはよくいいますが、人まかせ機械まかせにせず自分の手をかけることが、脳にとっても大切なのです。

■面倒を避けず心を込めて脳をイキイキ

さらに野菜などの皮をむくとき、皮むき器でむくより包丁でむくほうが脳の活動が高まるという実験結果もあります。面倒なやり方をすることで、脳に負荷がかかり活動を高めてくれるのです。
また、キャベツのせん切りやアイロンがけなどを心を込めて丁寧に行うことでも脳の活動が高まることが分かりました。これは、心を込めると細かなところまで気を遣うようになるため、そのぶん余計に神経ネットワークを使うことになり、脳の活動が増すからです。
少しでも楽をしようとせず、あえて面倒なこともやってみる。いつもしていることにも、きちんと心を込める。そんな心がけ次第で脳は変わっていくのかもしれません。
■『NHKまる得マガジン 頭と身体を健康に! イキイキ脳トレ体操』より

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