日本で最も作られているキノコは?

天然のエノキタケ。雪に埋もれて生えるので、「ユキノシタ」の別名もある。写真提供/長野県野菜花き試験場
日々食卓にのぼるのに、意外と知らないキノコのこと。ニョキニョキとわいてくる疑問を、キノコの専門家(株)岩出菌学研究所所属の原田栄津子(はらだ・えつこ)さんにぶつけてみました。

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■生産量のトップは、どのキノコ?

日本で最も作られているキノコは、エノキタケです。北海道から沖縄まで、各地の工場で作られています。なかでも長野県が60%以上を占めています。ちなみに天然のエノキタケは秋から冬に生え、栽培されているエノキタケとはまるで違う外見をしています。市販のエノキタケは、消費者が白を好んだため、光を当てても茶色くならない純白系に改良されているのです。

■シイタケはいつから食べられていたの?

シイタケが初めて登場する文献は、鎌倉時代の僧・道元(どうげん)が著した『典座(てんぞ)教訓』という書物です。それは、干しシイタケでした。シイタケを乾燥させるアイデアは中国から伝わったと言われていますが、当時、日本産の干しシイタケは、ほとんどが中国へ輸出されていたと言われています。シイタケが日本の庶民の食卓にのぼるようになったのは、江戸時代になってからです。

■秀吉はシイタケが大好物だった?

豊臣秀吉は、当時高級品であったシイタケを好んで食べたそうで、茶会の席でシイタケ料理を出したなどの記録が残っています。
秀吉はマツタケも好物で、自らマツタケ狩りを楽しんだそうです。とれないと困るので、家来が前もって山にマツタケを植えたというエピソードも残っています。
■『NHK趣味の園芸』やさいの時間2015年2月号より

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