グラノーラのルーツを探る

撮影:砂原 文
サクサクとした食感と香ばしい香りが人気のグラノーラは、手軽に食べられて栄養満点。
グラノーラは、オーツ麦や大麦など、複数の穀類に油脂と糖分をかけて焼き上げたシリアルのことで、ナッツ類やシード類が加わることもあります。健康意識の高まりとともに注目され始め、ここ数年売り上げが急増していますが、もともとは、19世紀後半のアメリカがルーツ。特定の地域性はなく、農家の人々が収穫した麦に脂をかけてオーブンで焼いたのが始まりといわれています。レシピはおのおの異なり、まさに家庭の味ともいうべきものだったようです。
一方、ほぼ同時期に、ミシガン州でサナトリウム(療養所)の所長をしていた、J・H・ケロッグ博士が、患者のための栄養食として、「グラノーズ」(のちのグラノーラ)を考案したという記録があり、これを博士の弟が食べやすく商品化したことにより、一般に広く知られるようになったといわれています。
グラノーラは、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養バランスもよいため、健康食品としてもポピュラー。朝食をゆっくりとる時間のない子育て世代や、健康に気を遣うシニア世代まで、幅広く支持されています。とはいえ、あくまでパンのかわりになる補助食品として、その他の野菜や果物、卵などと組み合わせて摂取するのが理想です。日もちすることから、防災用の保存食としても注目を集めているので、ぜひ上手に利用したいものですね。
※テキストでは、オーブンを使わずフライパンで手軽につくれる自家製グラノーラのレシピをご紹介しています。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2015年1月号より

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