おいしいコーヒーを淹れるためのコツとは?

珈琲美味手帖  (知ればもっとおいしい!食通の常識)
『珈琲美味手帖  (知ればもっとおいしい!食通の常識)』
世界文化社
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 10月はコーヒーの新年度。コーヒー豆の生産量が世界で最も多いブラジルにおいて、その収穫が毎年9月に終わり、10月頃から新豆が出揃うようになることから、国際協定によりコーヒーの新年度に定められたそうです。

 せっかく新豆を手に入れたならば、少しでもおいしくなる淹れ方で味わいたいもの。

 そんなときにオススメの淹れ方は、いくつかの基本さえマスターすれば、最小限の道具だけで、自宅でも常時安定したおいしいコーヒーを楽しむことができる"ハンドドリップ"。本書『珈琲美味手帖』では、カフェ・バッハ流"ハンドドリップ"の極意が紹介されています。その淹れ方を、実際に少し見てみましょう。

 まずペーパーフィルターをドリッパーにセットしたならば、カップ1杯につき約12gを目安として粉を入れます。

 重要なのは、そこに注ぐお湯の温度。一度沸騰したお湯をポットに移し、温度計を用いて計りながら、82~83℃まで冷ますのだそう。プラス5℃なら濃いめで苦味の立った味に、マイナス5℃なら苦味を抑えた軽めの味になるといいます。

 お湯がベストな温度まで冷えたなら、1湯目は、中央から外側に円を描くように注ぎ、ドーム状に膨らんだ状態が平らになるまで20~30秒待ち、しっかりと"蒸らし"を行います。その膨らみが落ち着いて平らになったときが、2湯目のタイミング。

 また注ぐ際のポイントは、太さ2~3ミリを保ちながら、細く途切れないようにまっすぐお湯を落とすこと。この注ぎ方が安定しないと味のブレを引き起こすことに。注ぐ湯が太く量が多いと薄い味に、細くて時間がかかると濃い味になってしまうそうです。

 こうした点に気をつけながら、同様に2湯目以降も注いでいけば(蒸らしは不要)、おいしいコーヒーが完成。

 そして気になるのは、コーヒーを淹れるときの"水"。水道水に比べ、やはりペットボトルの水の方がおいしいコーヒーになるのかと思いきや、意外にもコーヒーに適しているのは、水道水。

 日本国内でボトリングされたペットボトルの水は、殺菌のために加熱・消毒がなされており、酸素や炭酸ガスが抜けた状態に。そのためコクやまろやかさに欠けてしまうのだといいます。

 数々のコーヒー豆の紹介はもちろん、豆の挽き方や保存方法、おいしく淹れるためのコツなど、コーヒーにまつわる有益な情報が満載の1冊。新豆の季節、本書を参考にしながら、おいしいコーヒーを淹れてみてはいかがでしょうか。

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