生の果物VSドライフルーツ 腸内環境を改善してくれるのはどっち?
- 『腸の「吸収と排出」が健康の10割』
- 大竹 真一郎
- ワニブックス
- 1,188円(税込)
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「腸は第二の脳」ともいわれるように、腸には約1億個以上の神経細胞が存在。その数なんと、脳の150億個に次いで、体内で2番目に多いといいます。そのため、腸は食べ物を消化し栄養素を吸収、そして老廃物の排出に携わるだけでなく、体全体の指令塔としての役割を持ち、全身に影響を及ぼすのだそうです。
本書『腸の「吸収と排出」が健康の10割』では、腸内環境悪化のリスクについてこう説明しています。
「腸内環境が乱れると悪玉菌が優勢となり、本来排出されるべき老廃物が溜まり、腸の働きも弱まります。そして、その老廃物の有害な物質が腸壁から血液中に吸収されることで、血流に乗って体内を回り、体の中の遠く離れた意外な部位にまで、影響をおよぼしてしまいます」
便秘や下痢はもちろん、肌荒れ、肥満、さらには大腸がん......と、腸の不調はさまざまな病気を引き起こしかねません。そこで本書では、腸内環境を整えるには、日常生活においてどのような食事や習慣をとるべきかを指南。腸にまつわる52個の疑問に、わかりやすく答えていきます。
たとえば、腸内環境を改善してくれる食物繊維を果物から摂りたい場合、生の果物とドライフルーツを食べるのとでは、どちらの方がより効率的でしょうか。
この答えは、ドライフルーツ。生の果物に比べドライフルーツでは、ビタミンCの含量が減ったり、成分が凝縮されるため果糖は少し増えるものの、何倍も多く食物繊維が含まれているといいます。
具体的には、柿は8.8倍、ブドウは8.2倍、バナナは6.4倍、アンズは6.1倍、イチジクは5.7倍、プルーンは3.8倍といったように、多くの果物において、生で食べるよりドライフルーツとして食べる方が、食物繊維を多く摂ることができるとのこと。
また、ドライフルーツのメリットは、食物繊維が多いという点だけでなく、「噛まざるをえない」という点にもあるのだそうです。
「食べ物をよく噛むことによって、脳からヒスタミンという物質が多く分泌されます。ヒスタミンは脳の視床下部の満腹中枢を刺激して「おなかがいっぱいになった」という感覚を得やすくしてくれます。すると、食べすぎを防ぐことができるため、結果的に肥満を防ぐことになります」(本書より)
1億個以上の神経細胞が存在すると同時に、約100兆もの細菌が棲んでいるといわれる腸。そして、最も老化しやすい臓器であるといわれつつある腸。本書をきっかけとして、腸にまつわる知識を学び、その重要さを痛感したならば、自身の腸内環境を見直してみてはいかがでしょうか。