佳子さまだけじゃない? 実は昔からいた「アイドル皇族」

宮家の時代―セピア色の皇族アルバム
『宮家の時代―セピア色の皇族アルバム』
鹿島 茂
朝日新聞社
1,944円(税込)
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 皇族方は、幼稚園から大学まで学習院で学ばれるもの......そんな"常識"が過去のものになりつつあるようです。秋篠宮家の次女・佳子さまが、学習院大学を中途退学され、受験されていた国際基督教大学(ICU)に無事合格されていたことが10月30日に発表されました。

 学習院はもともと、1847年に、孝明天皇が京都御所内に設置した学習所がルーツ。皇族・華族の子弟向けの教育機関としてスタートした大学です。戦後の学制改正で「華族の学校」という存立の概念がなくなった後も、皇族方が進学される学校というイメージは変わりませんでしたが、ここにきて学習院以外の大学を進学先に選択される皇族方が目立っています。
 
 佳子さまの姉の眞子さまは2014年にICUをご卒業されていますし、弟の悠仁さまも2013年に学習院初等科ではなくお茶の水女子大学付属小学校にご入学されています。同じ2013年に、高円宮家の長女・承子さまは学習院女子大学・英国留学を経て、早稲田大学をご卒業。三女・絢子さまは、城西国際大学をご卒業されました。ただ、佳子さまの場合、一度入学された学習院大学を中退してのチャレンジ、ということで、より注目を集めたようです。

 また、佳子さまと言えば"美しすぎる皇族"として大人気、ネット上に「佳子さま萌え」を自認する熱烈なファンも多数見受けられます。まさにアイドルのような人気ぶりです。ただ、仮にも内親王殿下に対して、そのようなファン目線を送るなんて「畏れ多い」「不敬だ」と思われる方もいるかもしれません。しかし、皇族方をアイドル扱いするのは、今に始まったことではありません。

 本書『宮家の時代 セピア色の皇族アルバム』の鹿島茂さんによれば、戦前の庶民は、まるでアイドルに憧れるように、皇室の方々が掲載された雑誌に夢中になっていたそうです。着物が当たり前だった時代に、いち早く最先端の洋装を取り入れた皇族方は、今で言うなら"超セレブ"。雲の上の存在と言うよりは、ファッションリーダーのように注目され、また皇族方も庶民の熱視線に応えようと写真撮影に応じていた様子が、当時の『皇族画報』や『皇室御写真帖』といった雑誌からうかがえます。

 その他にも、皇族の方々は、テニス、ゴルフ、スキーなどのスポーツもヨーロッパから率先して取り入れられ、日本での普及に貢献されました。明治政府の提唱した西洋文化の導入にあたり、まさに牽引役を果たされたのです。昭和初期まで存在した宮家13家すべてを網羅した本書で、知られざる元祖「アイドル皇族」をご覧になってみてはいかがでしょうか。

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