海外でも評価が高い 湊かなえのミステリー小説『告白』
- 『告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)』
- 湊 かなえ
- 双葉社
- 669円(税込)
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デビュー作『告白』で、「2009年本屋大賞」を受賞した作家の湊かなえさん。
同作は本屋大賞だけでなく、「週刊文春2008年ミステリーベスト10」1位、「オリコン2010年 年間"本"ランキング」文庫 総合1位、「Amazon Best Books of 2010」文庫本(文芸)ランキング1位、読者1000人の「ベスト本2010」1位(丸善&ジュンク堂)など、多方面から高い評価を得ています。発行部数も累計350万部に迫っており、2010年には松たか子さん主演で映画化もされました。
2014年8月19日には、同作の英語版『CONFESSIONS(告白の意)』もアメリカ、イギリスなど英語圏の国々で刊行。元々、前述の映画が「第83回(2011年)アカデミー賞・外国語映画賞」の候補作となったこともあり、発売前から注目を集めていました。
たとえば、『ロサンゼルス・タイムズ』(8月8日付)は、「映画『ゴーン・ガール』のようで、大きな衝撃を与える作品だ」と評価。『ゴーン・ガール』はデヴィッド・フィンチャー監督の作品で、5回目の結婚記念日に失踪した妻を殺してしまった疑いをかけられる夫の話。『告白』『ゴーン・ガール』ともにサスペンス要素が強いため、こう比較されているのでしょう。
また、アメリカにおける『本の雑誌』のような雑誌『パブリッシャーズ・ウィークリー』も8月18日、同書を「今週注目の本」として取り上げ、「日本の社会の闇にスポットライトを当てている」と紹介。ほかにも、『ウォールストリートジャーナル』、『マルホランドブックス』などに、書評が掲載されています。
冒頭の「本屋大賞」受賞時には、「5年後も作家であり続けたい。そして、5年後の代表作が『告白』だけとならないよう、心に誓いたい」とコメントしていた、湊さん。まさに、その「5年後」となった今、彼女の作品を振り返ってみると『少女』、『贖罪』など、その言葉通りにヒット作を出し続けています。
さらに8月23日には、彼女初の"純愛ミステリー"作品となる『Nのために』の文庫版が発売。同書は、榮倉奈々さん主演で連続ドラマ化が決定しており、もしかすると将来、『告白』と同様に英語版が出版されることもあるかもしれません。
日本だけでなく、世界に広がる湊さんのミステリー小説。まだ彼女の作品を読んだことがない方は、『告白』から「湊かなえワールド」に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。