スタイリスト本はなぜ売れる?

K.K closet スタイリスト菊池京子の365日 Spring - Summer
『K.K closet スタイリスト菊池京子の365日 Spring - Summer』
菊池 京子
集英社
1,620円(税込)
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 ここ数年、書店では女性ファッション誌などで活躍する人気スタイリストの本をよく目にします。しかもこうした「スタイリスト本」は売上げが好調で、たとえば人気スタイリスト大草直子さんの『大草直子のStyling Boo』や50代女性に支持されているスタイリスト石田純子さんの『大人の着回しバイブル』は、いずれもシリーズ累計20万部以上を記録しています。本来、裏方の職業であるスタイリストですが、今や、ある意味で彼女たちは"タレント化"し、彼女たちが好むもの、普段親しんでいるもの、そして私生活までも注目を集めるようになっているのです。

 それにしても、なぜ、スタイリスト本は売れているのでしょうか?

 理由のひとつは"スタイリストによる着回しセンス"にあります。ユニクロやH&M、ZARA、GAPなどファストファッションブランドが台頭し、お金をかけずにおしゃれを楽しむことが当たり前となった今。その中で、いかに他人と差をつけるかが、おしゃれの決め手になります。極力、出費を省き、おしゃれを演出できるか。そんな時、スタイリストが提案する"メソッド"は、とても役に立ちます。スタイリスト本はそうしたメソッドを求める女性たちに売れているのです。

 そして、今、もっとも注目されているスタイリスト本が今回紹介する『K.K closet スタイリスト菊池京子の365日spring‐summer』です。アラフォー世代の既婚女性をターゲットにしたファッション誌『marisol(マリソル)』で活躍しているスタイリスト、菊池京子さんの新刊です。

 同書の特徴はトップスタイリストの菊池さんが、4月1日から9月30日までの183日間の春夏コーディネートをダイアリー調に公開するというもの。しかも全て、彼女の私服というファン垂涎の作りとなっています。また、高級ブランド一辺倒ではなく、たとえばインナーにはGAPやユニクロを使用し、同じアイテムもあの手この手で着まわすなど、一般の女性が参考にできるものばかり。

 本書は今後、続編として秋冬編が発売予定だとか。秋冬はより着回し技術が問われるシーズンなので、発売されるとまた話題になりそうです。


【関連リンク】 
菊池京子 公式HP
http://kk-closet.com

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