エロ本の「東京いい店やれる店」は、トキメキのあるお店のことだった?

新東京いい店やれる店
『新東京いい店やれる店』
ホイチョイ・プロダクションズ
小学館
1,728円(税込)
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 『東京いい店やれる店』というちょっと刺激的な書籍が、最近本屋さんに並んでいます。そして、帯には「エロ本です。」の刺激的な文字。男性の皆さん、既に購入済みでしょうか。それとも、気にはなっていても、なかなか手を伸ばしにくいものなのでしょうか。

 同書を簡単に説明すると、18年前にベストセラーとなった『東京いい店やれる店』の第二弾にあたり、「東京で生活するオトナの男性が、女性を口説くために必要な古今東西の英知を詰める」といった前作のコンセプトをそのままに、現在の時流に合わせてリニューアルしたものです。

 男性の草食化、女性の肉食化は色濃くなる一方。そして、少し前には、『いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか』という本がベストセラーにもなりました。20代のモテ系女性が、40代のガツガツとした肉食系男性に奪われているのです。「そんな40代男性のように、高くてオシャレな店ばかりに連れて行くことはできない」、これが20~30代男性の本ではないでしょうか。

 しかし、東京には、料金が安くても、清潔で趣味のいい、女子が喜ぶ店がたくさんあるのです。それが同書では「やれる店」として紹介されているのです。

 では、その条件とはどんなものなのでしょうか。

1.内装のセンスがいいとか(心理学者・グリフィットの実験によれば、人間は、快適な空間で一緒に過ごした相手について、対人評価を上げる傾向がある)、2.証明が暗いとか(心理学者・ガーゲンの実験によれば、暗い部屋に一緒にいた男女は、明るい部屋にいた2人より親密になる)、3.店が小さいとか(狭い空間を共有した2人の間には、一体感が芽生える)、4.2人の席が接近しているとか(人間は45~75cmの距離に長くいた相手に好意を持つ)、5.夜景が美しいとか(暗闇にチラつく光には人間の理性を奪う催眠効果がある)、6.世間の評価が高いとか(海外の人気店の支店とか、超老舗だとかいったブランドは、女性に「自分は大切にされている」という自信を与える)、7.客層がいいとか(客層も女に自信を与える)、8.意外な場所にあるとか(秘密めいた場所にある店を知る男は、女性の目には、未知の愉しみ扉を開けてくれる頼り甲斐のある大人に映る)......。

 などなど、料金が高いだけがモテる店というわけではないようです。他のポイントに目を向ければいいのです。これらの条件に共通するポイントは、「トキメキのある店」。つまり、食事をしながら、恋が始まる予感を女性に与えればいいのです。そのために効果的なお店を紹介した、何とも心優しい一冊なのです。

 さて、今週末のデートでまだお店が決まっていない男性諸君、勇気を出して本を手にすることが、ハッピーへの近道なのかもしれません。

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