"だまされない"ためには己を知ることが一番の近道?

「だまし」に負けない心理学 (生きる技術!叢書)
『「だまし」に負けない心理学 (生きる技術!叢書)』
香山 リカ
技術評論社
1,490円(税込)
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 人はなぜだまされてしまうのでしょうか?

 最近、テレビを騒がせた話題は、どれも「だます」「だまされた」の話ばかり。3人の男性をだまし、殺害したとされる木嶋佳苗被告しかり、オセロ・中島知子の霊能者による洗脳騒動しかり。モデルの冨永愛と料理研究家の園山真希絵との二股交際が発覚した俳優の塩谷瞬もふたりの女性をだましていたことになります。

 これらのワイドショーをみて、「バカだなぁ、わたしだったら絶対だまされない」と思った人もいるかもしれません。しかし、精神科医の香山リカさんは「"自分は大丈夫"と自信満々の人ほど、実はだまされていることに気がつかない例も多い」と言います。

 同時に、知らず知らずに他人をだましてしまっている人も多いのだとか。ある一定の偏った考え方や価値観を人に信じ込ませるのが"だまし"だとしたら、サラリーマンの世界でも小さな"だまし"は日々繰り広げられていると香山さん。会社という組織のなかで起こりがちなパワハラも、「強い立場や権威をたてにして、一方的に自分が間違っているのだと思いこませる"しつけ型のマインドコントロール"」。人は「自分には他人とは違う個性や可能性がある」、「特別な人間だと思われたい」といった自己愛に動かされており、その欲求につけ込まれることが多いと著書『「だまし」に負けない心理学』で紹介しています。

 情報があふれ、人々を不安に陥れるような言説もたくさん飛び交う今の世の中。人間は一度不安にかられてしまうと冷静な判断力を失い、正しい情報や科学的な答えではなく、不安を取り除いてくれそうな人や言葉を求めてしまうのだとか。そんなときに持っておきたいのが、占い・予言、マインドコントロールに対する処方箋。

 同書は、「ウソでもいいから安心させてほしいと思う人間の心理」「はずれない予言のからくり」「わかりやすい極論はなぜ支持されるか」など、だまそうとする人から身を守るための気づきを与えてくれます。

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