打ち合わせの7割が雑談だからこそ、仕事がうまくいく?

気づく仕事
『気づく仕事』
博報堂研究開発局
集英社
1,296円(税込)
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 企画会議や商品開発の打ち合わせなどで、場が煮詰まってしまうことがあります。そんな時はみなさん、どうしていますか?
 
 休憩したり、軽食をつまんだり、一度解散して集まり直したりなど、それぞれに工夫していると思いますが、あらかじめ煮詰まらないために、ちょっと変わった打ち合せをする会社があります。
 
 広告代理店の博報堂の打ち合わせは、「雑談」から始まります。それは個人の脳をいきいきとさせるウォームアップのため。また、その雑談の内容が後々のアイデアワークでヒントになり、重要な意味をもつ場合があるかもしれないから。博報堂の打ち合わせは「雑談」からすでに始まっているのだそうです。
 
 そんな博報堂の研究開発局がまとめた書籍『気づく仕事』では、博報堂の仕事の基本=「気づく仕事」とうたい、お互いに「気づき合う」ことで創造的な発想を生み出していく方法をわかりやすく具体的に紹介しています。
 
●まずは「おもしろいね」「それ、なんかありそうだね」など受ける、共感する

●相手の話を「違うな」と思っても「なるほど......。それでね」「へぇ、そうなんだ......。ところでさ」と否定せずにそれとなしに流す。否定をするとキャッチボールではなく、優劣を競うドッジボールになってしまう

●結論を急いだり、安易にまとめたりしない。打ち合わせのたびに結論を出さねばならない、打ち合わせをまとめねばならない、そうした観念にとらわれず、よい意味で「いい加減」に打ち合わせを終わらせる

●論理を情動が上回ることが多々あるので、「しっくりこない」「腹落ちしない」など、生理で検証する(身体感覚を大切にする)
 
 など、打ち合わせで煮詰まらないようにするアドバイスが豊富につまっています。
 
 そもそも、気づきとは「なんか、ひっかかるなぁ」「あれ、思っていたものとなんか、違うな」という違和感や認識のズレからはじまること。この「なんか」というのがとても大切で、その違和感の正体を探り当てるために自分の認識のピントを補正していき、ボヤけていたピントがその「なんか」にしっかり合ったときに、新しい認識(気づき)を獲得すると本書は教えてくれます。そのときは、これまでとは見え方の異なる"新しいメガネへのかけかえ"が行われているのです。
 
 ちなみに、ある研究機関によれば、博報堂の打ち合わせは「ほぼ7割が雑談でできている」そうです。常に思考を自由な状態に、固定観念にとらわれないようにしておく。そんな「ニュートラル」な状態が、アイデアを生み出していく上で大切なのかもしれません。

 普段の仕事の打ち合わせ、今日は雑談から始めてみませんか?

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