児童文学『バッテリー』のあさの氏が描く、江戸の巷の物語

東雲(しののめ)の途(みち)
『東雲(しののめ)の途(みち)』
あさの あつこ
光文社
1,728円(税込)
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 『バッテリー』(教育画劇)で野間児童文芸賞、『バッテリー(2)』(教育画劇)で日本児童文学者協会賞を受賞したあさのあつこ氏。同シリーズでは、児童文学の枠を越え、広く大人からも人気を博した作品として注目を集めました。

 2人の中学生にスポットをあてた『バッテリー』とは違い、今、あさの氏が描くのは、生きるのか死ぬのか、愛すのか憎むのかの江戸の巷の物語、「弥勒」シリーズです。最新作の『東雲の途』は『弥勒の月』『夜叉桜』『木練柿』に続くシリーズ第4弾。

 登場するのは、江戸の町でおこる不可解な事件を追うことで、自身も翻弄されてきた3人の男たち。過去に悲惨な思いをし、不思議と死を引きつけてしまう人柄のよい小間物問屋の主人・清之介。そんな彼に執拗にこだわり、切れ者ゆえに世にいらだつ同心・信次郎。そして、そんな2人に引きつけられるのが岡っ引きの伊佐治です。

 元暗殺者で、愛する人を殺してしまった過去から、商人という仕事に固執していた清之介が、『東雲の途』では、一歩前に進みます。岡っ引きの伊佐治と向かう西に国で、次々とせまる危機を前に、清之介はどのように立ち向かうのか。

 3人の男たちそれぞれに込めた、あさの氏の"想い"が透けて見えてくる、人気シリーズの最新作です。

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