就活のES、見てもらうためには「ブリーフの裏側」が必要?
- 『広告のやりかたで就活をやってみた』
- 小島 雄一郎,笹木 隆之
- 宣伝会議
- 1,512円(税込)
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- >> エルパカBOOKS
「就職活動の早期化」に批判が高まり、新卒採用の開始を「大学3年の12月以降」とする経団連の倫理憲章が、今年からはじまりました。採用本番を前に、様々な情報を集めて準備を行っている学生も多いのではないでしょうか。
そんな就活生に向けた書籍『広告のやりかたで就活をやってみた。』が宣伝会議から刊行されました。広告で言われるポイントやツボを就職活動に生かすテクニック本です。
たとえば、エントリーシート。採用する側にとっては、何百、何千と送られてくるエントリーシートは、「ただの紙にすぎない」といっても過言ではありません。採用側の気持ちになると、少し読んで興味のわかないものは読み飛ばし、そのまま不採用BOXに入れてもおかしくはありません。
広告も基本的には「見られないもの」。テレビを見ている時のCMや、新聞での全面広告は邪魔者以外の何でもありません。皆さんは、CMの最中に別のことを行ったり、新聞広告なんて目もくれずに次のページをめくってはいませんか。広告を作る際にまず意識することは、「見られない」ということなのです。
例えば、ユニクロの新聞広告では、どうしたら最後まで読んでもらえるかといった工夫が込められています。ある日の新聞広告で、ユニクロはブリーフパンツの写真をデカデカと載せました。しかも、表側ではなく裏側をみせたのです。ブリーフの裏側が新聞に載ることなんてそうないので、つい目線がいっていまいます。
広告でも就活でも、まずは受け手の目線を奪うことが大切です。また、キャッチコピーは「人は、パンツの裏側と付き合っている」。つい続きを知りたくなってしまう名コピーです。強調する文字を赤字にしたり、文字の大きさを使い分けたりと、ユニクロの広告には様々な工夫が隠れています。すべては「読まれないかも」といった危機感からうまれたといえます。
就活においても、「思いを伝えたい」「内定を取りたい」といった熱意も、相手に伝わらなければ意味がありません。だからこそ、「見られないかも」「伝わらないかも」といった危機感を持つ必要があるのです。
「見てもらえばわかる」とか「伝わる人には伝わる」といった発信者都合の考えはやめなければなりません。広告も就活も、「見てもらう」ことが大切な第一歩なのです。