「ベテラン経理マン」「アラフォー敏腕専務」には要注意?――粉飾・横領の見抜き方
- 『会計ドレッシング』
- 村井 直志
- 東洋経済新報社
- 1,728円(税込)
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ホンダ、ビクター、近鉄、メルシャン、ローソン。これらの企業には、ある共通点があります。それは近年、粉飾や横領などの不正会計が発覚した企業であるということ。せっかく稼いだ利益が水の泡になっただけでなく、企業の法令順守(コンプライアンス)の重要性が叫ばれる昨今、大きな社会的信用を失ってしまいました。
では、どうしたら不正会計を阻止することができるのでしょうか。公認会計士として約20年、企業を監査してきた村井直志氏は、最新刊『会計ドレッシング10episodes』で実話にもとづく不正会計の実例を挙げながら、その方法について具体的に伝授しています。
25年間同じ職種についていた"競馬好きのベテラン経理マン"、若くして出世した営業出身の"敏腕アラフォー専務"、麻薬のようにやめられなくなる"循環取引"など、不正のリアルな手口とともに、お金にまつわる人間模様が垣間見える10のエピソードを紹介しています。
今年5月の信用調査会社・帝国データバンクの発表によれば、2010年度「コンプライアンス(法律順守)違反」を犯し、負債額が1億円以上で倒産した企業は115社。この数字は前年度より約2割の増加で、負債総額は2兆6000億円にまで上ります。倒産した理由のトップは「粉飾」で40社。4位「横領」の8社と合わせると、不正会計による倒産は約4割に。いかに不正会計をしない、させないように管理することが重要か、この数字を見ただけでも明らかです。
タイトルの「ドレッシング」は調味料のことではなく、window-dressingからとったもの。英語で「粉飾決算」のことを意味します。もとはショーウィンドウの飾り付けのことを指す単語ですが、"見せかける""着飾る"という意味から派生した言葉です。
本の帯には、皿の上の札束にドレッシングがかけられている絵が描かれています。おいしくなったように見える一皿ですが、じつは札束を消す恐ろしい調味料(=不正会計)かも。
あなたの会社は大丈夫ですか?