アップルの元CEO、S・ジョブズ氏が指針としている7つの法則

スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション
『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』
カーマイン・ガロ
日経BP社
1,944円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HonyaClub.com
>> エルパカBOOKS

 米アップルは、8月24日(現地時間)にスティーブ・ジョブズCEOの辞任を発表しました。ジョブズ氏は今後、取締役会の会長となり、後任はティム・クック最高執行責任者(COO)が務めます。

 ジョブズ氏の開発が、私たちの生活に与えた影響は、決して小さなものではありません。スティーブ・ウォズニアック氏と1976年にアップルコンピュータを創業したジョブズ氏は、ヒット商品の「Macintosh」を開発。1985年に退社したものの1997年に復帰。HDDを内蔵した携帯音楽プレーヤー「iPod」やスマートフォン「iPhone」、タブレット端末「iPad」など、次々にヒット商品を生み出しました。


 そんなジョブズ氏が、過去30年にわたり人生や仕事で活用してきた「7つの法則」について紹介しているのが、書籍『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則』。著者であるカーマイン・ガロ氏はジョブズ氏と同じような仕事やキャリア、人生を送るためには、この法則を理解しなければならないといいます。7つの法則とは下記のとおり。


法則1.「大好きなことをする」ジョブズは、心の声に従ってきたし、それがよかったのだと言う。

法則2.「宇宙に衝撃を与える」ジョブズは、自分と考え方が似ていて、自分のビジョンに賛同する人々、世界を変えるイノベーションへと自分のアイデアを変えてくれる人々を惹きつける。アップルのロケットは情熱が燃料、ジョブズのビジョンが目的地なのだ。

法則3.「頭に活を入れる」創造性がなければイノベーションは生まれないが、ジョブズにとって創造性とは、さまざまな物事をつなぐことを意味する。幅広く体験すれば人間の体験を深く理解できるようになると信じているのだ。

法則4.「製品を売るな。夢を売れ。」
アップル製品を買う人々をジョブズは「顧客」だと見ない。夢や希望を持つ人々だと見る。そして、その夢の実現を助ける製品をつくるのだ。

法則5.「1000ものことにノーと言う」洗練を突きつめると簡潔になるとジョブズは言う。iPodからiPhoneのデザインまで、製品のパッケージからウェブサイトの機能まで、そのイノベーションは、不要なものを取り除き、必要なものの声が聞こえるようにすることである。

法則6.「めちゃくちゃすごい体験をつくる」
アップルストアは顧客サービスとはこういうものだという基準になった。アップルストアを世界最高の小売店としたシンブルなイノベーションは他の分野にも応用可能で、どのような事業でも顧客と心からのつながりを長期的に結ぶことができる。

法則7.「メッセージの名人になる」
ジョブズは傑出した語り部で、企業の製品発表を芸術の域にまで高めた人物だ。世界一のイノベーションを思いついても、まわりの人を巻き込めなければ意味がない。


 これらの法則は、成功を収めている個人や組織が広く採用しているとガロ氏はいいます。世界一有名な寿司シェフ・松久信幸氏もジョブズ氏と同じ法則から素晴らしいレシピを生み出しています。ジョブズ氏がマックを生み出したイノベーションの法則と同じものから、レイチェル・レイは、30分クッキングを生み出しました。チームのやる気を引き出すジョブズ氏の手法と同じものを使い、荒れゆく公立校を立てなおした専業主婦のグループもいるのです。

 少し風変りな法則ではありますが、「7つの法則を使うことで、キャリアや会社、顧客、製品などについて、今までと違う考え方になるはず」と、ガロ氏はいいます。

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム