もやもやレビュー

國村隼のすさまじい存在感。韓国産究極のサスペンススリラー『哭声/コクソン』

『哭声/コクソン』 は絶賛公開中です

『悲しき獣』のナ・ホンジン監督の最新作。この監督の作品は毎回ずっしりと心のどこかに残って離れない。離れてくれない。そんな作品を生み出すことに長けた監督だ。
韓国映画はあまり観ない人にもこの作品はとてもみやすく楽しめるだろう。
なんといっても日本人が出演しているのだ。「國村隼」という一人の俳優がこの映画でみせる存在感といったらすさまじい。どこか不気味で気づかぬ間にもしかしたら自分のそばにもこんな人がいるかもしれないとも思えてくる。そして、彼の役柄は韓国から見た日本という国を象徴しているともいえるだろう。「國村隼」の演技が韓国で最も権威のある「青龍映画祭」で認められ男優助演賞他2冠をとり外国人史上初の快挙をなしとげた。

Wailing_sub1.JPG


ある平和な田舎の村で次々と村人に異変が起こり、家族を虐殺するという事件が起こる。その村の刑事である主人公ジョング(クァク・ドウォン)が事件解決に尽力するさなか彼の娘もまた事件に巻き込まれていく。
事件が起こると遠くの方で事件をみているよそ者の男(國村隼)。よそ者の男の怪しげな噂が不気味さを加速させる。一体男の正体は? はたしてジョングは娘を守りきれるのか?
事件の目撃者となのる女性と祈祷師の男も事件をどんどんとかき回す。
ラストには、だれもが想像しない展開の結末が待っている。

Wailing_sub2.jpg


韓国映画をみていると、他の国の俳優には表現できない独特な表現が多くみられる。
例えば、この映画のワンシーンで悪夢を見るシーンがある。あり得ないほどに暴れて起きるのだが、これは本当に言葉では言い表せない韓国人俳優ならではの表現方法だ。尋常ではないほど気迫あふれる演技がとにかくうまい!

そして156分という長さも気にならないほど事件は深く、闇も深い。
惑わされないようにみても怪しい人物が増えていく。いつの間にか誰かに惑わされていることになるのだがラストまで本当にわからない。
鑑賞後はどうにも一人では消化しきれないものがある一方で、序盤から用意されている伏線が最後はきれいに回収されている。スッキリとした一面もあり鑑賞後もやはり余韻にひたれる映画だった。
とにかく緊張の連続でのどが渇いて仕方ないので鑑賞前に飲み物の準備をオススメしたい!

(文/杉本結)

***

『哭声/コクソン』
絶賛公開中!

監督:ナ・ホンジン
出演:クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ ほか
配給:クロックワークス

原題:The Wailing
2016/韓国/156分
公式サイト:http://kokuson.com
©2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

« 前の記事「もやもやレビュー」記事一覧次の記事 »

BOOKSTAND 映画部!

BOOKSTAND

BOOK STANDプレミアム