プロレスラー出演映画シリーズ:バティ兄貴出世直前作『リディック:ギャラクシー・バトル』
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本コラムでも何度かご紹介しているWWEの「バティスタ」ことデイヴ・バウティスタ兄貴。俳優としてはポンコツアクション映画止まりだった兄貴ですが、主要キャラのドラックス役で出演した『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』(2014)の大ヒットにより一躍注目の的に。
先日撮影が始まったデ・ニーロ御大も出演する犯罪アクション『Bus 657』では、主人公の相棒役を獲得。さらに『007』の新作映画のヴィラン(敵役)に抜擢されたという噂も出ており、この1年でアクション俳優としての格を上げたようです。
その兄貴の"出世直前作"が今回ご紹介する『リディック:ギャラクシー・バトル』(2013)。ヴィン・ディーゼル主演のSFアクションシリーズ第3作。
エイリアン系サバイバルの良作だった1作目『ピッチ・ブラック』、新世代スター・ウォーズを目指したらフラッシュ・ゴードンもどきに成り果てた2作目『リディック』と来て、3作目の本作はサバイバルモノに原点回帰となっています。
前作で宇宙最凶のお尋ね者から戦闘部族を統べる君主となったリディックさんは、腹心に騙されて岩と崖しかない惑星に飛ばされるも、懐いた犬型生物と共にサバイバル!
放浪の末に発見した無人の基地で非常用ビーコンを起動したら、リディックの首を狙う2つの賞金稼ぎグループがカミング・ヒア! その上、この惑星はエイリアン(人型でなくバグズ型)の繁殖地で......。
前半は、経緯説明とリディックさんのサバイバル生活にタップリ当てられているため眠気がマックスですが、開始32分前後、我らがバティ兄貴も賞金稼ぎの一員「ディアス」として登場します。
出番は多くないものの、過去出演作における"マッチョな巨体に豆鉄砲"ではなく、イメージ通りの重火器を手に益荒男感をアピール。しかし、後半のリディックとの直接対決でまさかの力負け。負けるにしたってそりゃないぜ......。
とはいえ、最後の方まで生き残るし、V・ディーゼルとの共演という実績を得てメジャー作品への足がかりを掴めたのも事実でしょう(ディーゼルはのちの『ガーディアンズ~』にも声優として出演しているので一応再共演に)。
俳優として成功し始めたことでレスラー再復帰が遠のいたという情報もありますが、45歳という現役選手としては難しい年齢も考えると、俳優として行けるところまで行って貰った方がプロレスファンとしては嬉しいかも?
尚、本作の内容自体は、1作目の雰囲気を取り戻したグダグダのスペース『トレマーズ(3)』といった感じの出来栄えなので、B級SF好きならギリギリ楽しめる作品になっていますが、ギャラクシーなバトル感はゼロなのでそこは期待せずに!
(文/シングウヤスアキ)