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プロレス×映画

プロレスラー出演シリーズ:テッド・デビアス『ネバー・サレンダー 肉弾突撃』

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「映画は銭になるで!」とマクマホン会長が判断したのかは定かではありませんが、WWEは所属スーパースターの有効活用[※]を旨とした映画企画制作のため、2002年に「WWE Studios」を設立。年間4~5本のペースで制作していますが、これまでザ・ロックやストーンコールド・スティーブ・オースチン、ジョン・シナなど米国内で名の通るトップスター主演の劇場公開作のほか、DVD・BD・動画配信市場向けに若手スターの知名度アップも兼ねた作品も撮られており、今回紹介する『ネバー・サレンダー 肉弾突撃』(原題『The Marine II』)もそのひとつに含まれます。

 主演のテッド・デビアスは、金満ギミックで80年代後半~90年代前半のWWEで名を馳せた"ミリオンダラー・マン"ことテッド・デビアスの次男(デビュー当時は「テッド・デビアスJr.」名義でした)という期待の若手スパスタ。主演を張るくらいなので割とシュッとしたイケメン路線です。

 映画のあらすじは、東南アジアのリゾートホテルをテロリストが強襲し、主人公の妻らを人質に取り籠城。現地政府は傭兵団を使った救出作戦を敢行し、元海兵隊員である主人公も同行するも裏切り者のせいで失敗。だが、ネバー・サレンダーな主人公はテロリスト達が占拠するホテルへ単独で肉弾突撃...というもの。
一応、シナ主演の『ネバー・サレンダー 肉弾凶器』の続編ですが、引き継ぎ要素は「元海兵隊員による嫁さん救出劇」の設定のみ。

 劇場未公開ながらFOX資本のおかげで、ことある毎に火薬が炸裂する「とりあえず銃撃&爆発させました」という火薬至上主義な作風なんですが、やはりそこはWWE企画の「プロレスラー出演映画」。
 中盤、主人公を追いつめたテロリスト2人が武器でトドメを刺せば良いものを唐突に武器を捨てて肉弾戦を仕掛ける謎展開となり、プロレス vs. ムエタイの異種格闘技戦へ突入! テッドは得意とするドロップキックなどのプロレス技に加え、何故かブルース・リーのプルプルフィニッシュ(顔を震わせながら足で相手の首を折るアレ)まで披露しており、おかげで敵ボスとの最終バトルシーンより脳裏に残ることに。

「これぞプロレスラー出演映画!」と胸を張れるB級作品ですが、当コラム的にいうと『エイリアンVSエイリアン』よりは面白いから安心して欲しい!

 本作撮影後のテッドですが、父のミリオンダラーギミックを継承もイマイチ定着せず、ケガによる欠場も重なり出番も激減。同じ世襲スターで元相棒のコーディ・ローデスとの差は開くばかりですが、ネバー・サレンダー精神で頑張って欲しいものです。

(文/シングウヤスアキ)

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シングウヤスアキ

会長本人が試合までしちゃうという、本気でバカをやるWWEに魅せられて早十数年。現在「J SPORTS WWE NAVI」ブログ記事を担当中。映画はB級が好物。心の名作はチャック・ノリスの『デルタ・フォース』!

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