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プロレス×映画

プロレスならアウト! 八百長破りの『ロンゲスト・ヤード』

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 アメリカの国技ともいわれる「アメリカンフットボール」。米プロレス業界との関係も深く、アメフトで成功出来なかった選手がプロレスで大成したケースもあり(後述のゴールドバーグなど)、ドロップアウトした選手が富と名誉を求めて門を叩くことも多いようです。
 コンテンツとしても高視聴率を叩き出すとあって、WWEもNFLを意識したイベント・番組作り(ドラフトやレッスルマニアの演出など)をせざるを得ないほど。それが行き過ぎた形として、過去にアメフト独立リーグ「XFL」を立ち上げたこともありましたが、1シーズンで消滅してWWE史でも五指に入る黒歴史に!

 そんな流れで今回のネタはリメイク版の方の『ロンゲスト・ヤード』(2005年)。諸々あって刑務所送りになった元NFLスター選手の主人公が、所長から看守チームを勝たせるためだけの囚人チーム作りを指示されるも、チームが成長する過程で本気で勝利を掴もうとする...というもの。オリジナル版で主演したバート・レイノルズも囚人チームの鬼コーチ役として出演しています。また、囚人側にはビル・ゴールドバーグ(イタズラ主犯)、ボブ・サップ(泣き虫)、ザ・グレート・カリ(巨人)。看守側にはスティーブ・オースチン(ハゲ)、ケビン・ナッシュ(おネエ)というプロレスラーの面々が登場します。

 話の筋としては、かませ犬チームによるワーク(平たくいえば八百長)を指示されるも葛藤の末に台本を無視して勝ってしまう、というお話ですが、台本が正義のWWEでこれをやったらアウト。選手同士でエキサイトして予定の勝敗が変わってしまうことも稀にあるそうですが、意図的にやってしまえば次の日から謹慎や育成団体送りか最悪解雇です!(映画本編でも"刑期が伸びる"とされています)

 また、アメフト&監獄モノということでアクション盛り沢山な本作ですが、5人もレスラーが登場していながら、めぼしいプロレス技は練習シーンでカリがサップに決めたビッグ・ブート(フロントハイキック)、試合シーン序盤のドロップキック、サップがオースチンをKOしたクローズライン(ラリアット)、終盤のゴールドバーグが放ったスピアーっぽいタックル程度で、アメフト素人かつプロレス寄りの目から観ると「割とちゃんとしたアメフト映画」という印象になっています。

 むしろ見所は、プロレス界では「ビッグ・ダディ・クール」な不良オヤジキャラで知られるナッシュのおネエっぷり。自分の乳首が気になってコリコリしてみたり、看守チームの主将に怒られベソをかいたり、囚人チアリーダーのおネエ達に混ざって身体をくねらせたりと(未公開シーンでは囚人チームの尻を触りまくり)弾けまくり。本来の彼を知る人ほど衝撃を受けることでしょう。

(文/シングウヤスアキ)

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シングウヤスアキ

会長本人が試合までしちゃうという、本気でバカをやるWWEに魅せられて早十数年。現在「J SPORTS WWE NAVI」ブログ記事を担当中。映画はB級が好物。心の名作はチャック・ノリスの『デルタ・フォース』!

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