厳寒期でもおいしく育つミニニンジン

撮影:栗林成城
寒い冬でも「野菜作りを楽しみたい!」という方におすすめなのがミニニンジンのトンネル栽培。3つの資材で畝(うね)をしっかり保温すれば、手軽に栽培できます。春に栄養豊富で甘いミニニンジンを収穫しましょう。栽培のポイントと、タネの扱いに関する注意点を恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんが教えてくれました。

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■トリプル保温で発芽・生育を促す

ニンジンの発芽適温は15~25℃、生育適温は15~20℃。通常なら1月のタネまきには向きません。それを可能にするのが、保温資材の活用です。もみ殻と不織布、厚手保温シートでトンネルがけというトリプル保温にすれば、厳寒期でも日中のトンネル内は20~30℃をキープ。保湿効果もあるため、乾燥に弱いニンジンのタネの発芽にも役立ちます。

■適期の間引きを欠かさない

間引きは本葉1~2枚のころと3~4枚のころの2回行います。間引きは根を確実に太らせ、大きさをそろえるためにも重要な作業。間引かないと葉が混み合って日当たりが悪化。葉がモヤシのように弱々しくなって根に十分な栄養が供給できません。病害虫が発生しやすくなるおそれもあるので、間引きは忘れずに行いましょう。

■ニンジンのタネはここに注意!

ニンジンのタネはとても小さいので保水力、吸水力が弱く、乾燥すると発芽しにくくなります。タネまきの際は以下の2点に注意しましょう。
光が大好きなので覆土は薄く
ニンジンのタネは光が当たることで発芽が促進される「好光性(こうこうせい)種子」です。まき溝の深さは5mm程度と通常より浅くし、土はタネが見え隠れするくらい薄くかぶせるようにしましょう。
タネの形状に注目
ニンジンのタネには「未加工種子(裸種子)」と「加工種子」があります。さらに加工種子には発芽率を高めるためにタネの産毛を取り除いたものと、まわりを粘土などで覆った「ペレット種子」があります。ペレット種子は発芽率が高いだけでなく、タネをひと回り大きくすることで、まきやすさもアップさせています。


■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2021年12月・2022年1月号より

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