冬越し野菜 成功のコツ

とう立ちして、球が太らなかったタマネギ。早植えや、苗が大きすぎたことが原因。撮影:丸山 滋
冬越しとは、秋から初冬に栽培を始め、冬を越させること。こうして育てて、翌春以降に収穫する野菜を「冬越し野菜」「越冬野菜」といいます。上手に冬越しさせるコツを、恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんにうかがいました。

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主な冬越し野菜は、タマネギ、ニンニク、ラッキョウ、イチゴ、エンドウ、ソラマメなどがあります。ほかの野菜との大きな違いは、生育に寒さが必要で、寒さに当たることで収穫サイズになる性質があること。
なお、冬の菜園にはほかに、11~12月に栽培を始めるダイコンやニンジン、キャベツなどがありますが、こちらは冬越し野菜ではありません。これらの本来の栽培適期は冬ではなく、寒さは生育の妨げになることはあっても、必要ではないからです。

■成功のコツ

1 スタートの適期を守る
冬越し野菜は、スタート適期が短いのも特徴。スタートが早すぎると株が大きくなりすぎ、遅すぎると小さすぎてうまく育ちません。
2 適切なサイズで冬越し
冬越し野菜には種類ごとに、最も耐寒性が強い株のサイズがあります。このサイズで冬を乗り切らせると、冬越し中に枯れる心配はいりません。
 
3 防寒はほどほどに
冬越し野菜は寒さに当てる必要があるため、過度な防寒は厳禁。霜や寒風が厳しい場合のみ、不織布や防虫ネットで防寒する程度がよいでしょう。
4 冬越し中も手入れする
寒さで地上部の生育に大きな変化は見られませんが、地下では根が伸びています。除草や枯れ葉取りなどの手入れは、冬期も行いましょう。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2021年10・11月号より

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