帰省時の水やり、照りつける西日…夏の園芸、ここがお悩み!

メラレウカ・ブラクテアタ‘レボリューション・ゴールド’ 撮影:伊藤善規
近年の夏は人にも植物にも厳しくなるばかり。園芸愛好家の悩みも深まります。「みんなの趣味の園芸」には夏のお悩みがたくさん寄せられました。庭の植栽や管理に長年携わっていらっしゃる園芸研究家の村上敏(むらかみ・さとし)さんに代表的なお悩みにお答えいただきました。

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■Q お盆に帰省する4~5日間、鉢植えの植物の水やりに困っています。置き場を変えたり鉢を水につけるなどの工夫はしていますが、さらによい方法はありませんか? (神奈川県・石ころまめ太さん)

A 大型ケースに穴をあけ腰水で乗り切ろう
決められた時間に1鉢ずつ自動給水する装置が市販されています。また、私は衣装ケースの底から5cmの高さに穴をあけ、深さ3cmほどに水を入れて鉢を並べます。これなら雨で水が多くなりすぎず、浅く大量の水があるので安心して1週間ほどの旅行に行けます。風通しが悪くなるので鉢を詰め込まず、ケースの下半分に日が当たらないように気をつけて。ラベンダーのような乾き気味を好む植物には向きません。

■Q 西向きの花壇に夏は西日がガンガン照りつけ、好みの植物が育ちません。こういう場所にふさわしい植物はありますか? 低木を植えて日陰をつくるのはどうでしょう?(広島県・ゆみゆみさん)

A 温暖化で人気を集める地中海性気候の植物を
夏の西日が当たる場所は、厳しい高温と乾燥にさらされます。蒸れさえなければ地中海性気候の植物に適した環境といえます。地面を覆う姿の植物は、地面の湿気を強く受けて枯れやすいので、株元を風が抜ける姿のものを選びます。おすすめの木はメラレウカ・ブラクテアタ‘レボリューション・ゴールド’、コロキア「イエロースター」、ブラシノキなど、乾燥や強光線に強く日本の夏にも耐える常緑樹。葉が細かく軽やかな印象で株元に光が当たりやすいので、日ざしが和らいだ株元に草花を植えてみては。ここにあげた木は春先か秋に、葉のある場所で切り戻せばコンパクトにまとまります。環境によってはよしずなどもおすすめ。
※テキストでは病害虫や雑草などに関するお悩みと解決法も紹介しています。
■『NHK趣味の園芸』2021年8月号より

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