「典型的な元気のいい男の子」師匠が語る近藤登志希初段

撮影:小松士郎
新入段した棋士を師匠が紹介する連載「師匠が見た!NEWフェイス」。今月号は、三村智保(みむら・ともやす)九段が、近藤登志希(こんどう・としき)初段について語ります。

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9歳で「市川こども囲碁道場」に入門したときは9級で、プロ志望だと思っていませんでした。少しスタートが遅いですから。でも、本人はやる気満々でしたね。いつもテンションが高くて、典型的な元気のいい男の子、という感じ。今でもあんまり変わっていません(笑)。
スタートが遅かった分、院生になってからも同世代の子たちよりも2〜3クラス下で。それからは爆発的に伸びて、16歳になったころにプロ試験を通過してもおかしくない力はつきました。でも、気持ちにムラがあるタイプなので、あまり安定感がなくて、入段にはなかなか手が届かずやきもきしましたね。
昨年は本当にラストチャンスという覚悟を持って試験に臨んでいたのですが、ようやくメンタルが安定してきて、結果が出せましたね。まだ、ちょっとしたことで落ち込んだりもするので、もう一息ですけど(笑)。
棋士として言葉を贈るとしたら…あまりないかな(笑)。とにかく、よい意味でも悪い意味でも予想ができない子ですから。でも、最初の印象よりもずっと強くなったのだから、さらに伸びるかも。自分を強く持っているので、自分が感じたことを好きなようにやる、というのがいちばん合っているでしょうね。
■『NHK囲碁講座』2020年7月号より

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