日当たりはどれくらい? 葉が枯れたけど大丈夫? コーデックス栽培Q&A

パキポディウム・グラキリウス。横に伸びた枝は自生地の斜面で育つ姿を思わせる。冬には葉を落とし、春に黄色い花を咲かせる。小さな株は全体にとげをつけるが、成長すると分岐した先端部だけに 撮影:田中雅也
コーデックスという名の植物はなく、根や茎を肥大させた多肉植物の総称です。生まれ育った地は、乾燥地帯や寒暖差の激しい地域。厳しい自然環境で生き抜くために、水分や養分を根や茎に蓄え、肥大しました。決して整った姿ではありません。しかし、そこには人の手では決してつくり出せない自然の造形美があります。コーデックス栽培のビギナーにありがちな質問に、園芸家の鶴岡秀明(つるおか・ひであき)さんに答えてもらいました。

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■Q 日なたに置いて育てるといわれるが、どの程度の日当たりが必要?

 
A 1日6時間以上は日照時間が欲しいです
多肉植物のなかでも太陽が大好きなものが多いコーデックス。日当たりのよい環境は欠かせません。
また、風通しも大事。空気がよどんだところでは健全な葉が出なかったり、病害虫が出てしまったりすることも。最近は多肉植物のために日当たりのよい南向きや東向きの部屋に引っ越す人もいるそうです。

■Q 肥料を多くあげれば、早く成長してぷっくりした塊根になる?

 
A 肥料は適量を。一番大事なのは栽培環境です
肥料は植え替え時に元肥を、また生育期のみに液体肥料や固形肥料などを施します。かっこいい塊根にするには肥料よりも日当たりと風通しが何よりも重要。また、塊根の形は、株のもっている素質にもよるため千差万別です。
自生地でゆっくり育てられた露地栽培などの輸入株の場合は、肥料で余計な成長をさせず、幹を堅く育てるほうがきれいです。

■Q 春になって葉が枯れてしまったが、生きているの?

 
A 冬型は春に葉が枯れるものがあります。
暖かくなったのに葉が枯れてしまい、戸惑う初心者は少なくありません。写真のディオスコレア・エレファンティペス(亀甲竜〈きっこうりゅう〉)は冬型で、暖かくなると葉が枯れて夏に休眠します。枯れた葉は取りましょう。
そのとき、塊根ギリギリで茎を切らず、雑菌が入らないように1cmほど残すほうがうまく育つようです。


※テキストにはベテラン向けのQ&Aも掲載しています。
■『NHK趣味の園芸』2020年9月号より

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