実は意外と緊張した「B級グルメ戦法」初収録の様子

阿久津主税八段 撮影:小松士郎
2020年4月に開講した「楽しく勝とう B級グルメ戦法」の講師を務める阿久津主税(あくつ・ちから)八段。テキストでは、コラム「主税の目ヂカラ・リターンズ」を連載中です。

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こんにちは。B級グルメ戦法を楽しんでいただけていますでしょうか。今回は初収録の様子をお話ししましょう。
まずスタジオに入った瞬間、懐かしい感じがしました。講師は今回が2度目となります。前回は「阿久津主税の中盤感覚をみがこう」というタイトルの講座を担当させていただきました。「アッくんの目ヂカラ」というコーナーが話題になり、ご覧になられた方もいらっしゃると思います。調べたら2010年の4月〜9月の放送でした。ということは、ちょうど10年前ですか。当時は独身でしたし、歳も取るはずですね(苦笑)。
私はアドリブも大丈夫で、どんなときでも緊張することはないと思っていたのですが、実は初回となった4月第1週の収録はすごく緊張してしまって。リハーサルでゆっくり話していたら5分もオーバーしていたのです。回を重ねていくうちに緊張も自然と解けて、いつものペースになっていきホッとしました。
ペース配分を誤ったのにはわけがあります。前回は初段を目指す内容(のつもり)でしたが、今回は特に級位者の方に見ていただきたく、大技や両取りがたくさん掛かる将棋の魅力を詰め込んだ楽しい内容にしたつもりです。できるだけ丁寧な解説を心掛けていたら、自然と時間が過ぎていておどろきました。
聞き手の加藤桃子女流三段から、これまでB級戦法を指したことがないと聞いてびっくりしました。加藤さんとは初めてコンビを組みます。初タイトルを獲得したときの元気な女の子というイメージでしたが、今は元気さを残しつつ礼儀正しさというか大人になってきたなという印象です。と話していたら、何だか自分のことのように感じてきたので話題を替えましょう(笑)。
そうそう、4月12日に放送されたNHK杯戦は、うれしい内容でした。山崎隆之八段が変則的なパックマンを採用したのです。私は4月号でB級戦法として紹介したのですが、トップ棋士の山崎さんが指したわけですからA級戦法と認識を改めないといけないかもしれません(笑)。やはり将棋は楽しいですね!
■『NHK 将棋講座』連載「主税の目ヂカラ・リターンズ」2020年6月号より

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