二つ星フレンチのシェフ直伝! トマトサラダの原点

「トマトとアンチョビのサラダ」は素直で間違いのない、谷シェフのトマトサラダの原点。つくり方はテキストに掲載しています。撮影:竹内章雄
真っ赤な体にうまみと栄養をたっぷりたたえたトマト。夏の食卓の太陽ですね。野菜の中でトマトがいちばん好きだという、東京都内の二つ星フレンチレストランでオーナーシェフを務める谷 昇(たに・のぼる)さんが、原点ともいえるトマトサラダを紹介してくれました。

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野菜の中でいちばん好きなのがトマトなんです。好きで好きで食べすぎて、幼いころはおなかを壊すほど。今のように品種改良も進んでいないから少し青くさい。でもあの青くささこそトマトだって思いません?
15年ほど前の夏、長野在住のエッセイスト・玉村豊男さん邸に居候しましてね、玉村さんの畑のトマトも格別でした。朝露にぬれたトマト。むせるような熱を帯びた昼のトマト。味も香りも時間によって全然違う。あの夏のトマトも鮮明に覚えています。
欧米の料理はトマト抜きでは考えられません。最初に修業したフランス料理店のトマトサラダは、シンプルなんだけれど秀逸でした。アンチョビとオリーブの塩けとうまみを受け止めて、次なる皿への期待をかきたてる味です。
そうそう、トマトは実はしょうゆと相性よし。まぐろのづけに合わせたりすると、目からウロコの味わいなんです。
※7月号の特集は「プロ直伝!夏のトマトおかず」。和洋のトッププロが毎日でも食べたいトマトおかずを教えてくれます。
■『NHKきょうの料理』2020年7月号より

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